特集 3-7 自然計算から拡張生命へ

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Vol.100 No.6 (2017/6) 目次へ

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タイトル

青野真士 正員 慶應義塾大学環境情報学部

Masashi AONO, Member (Faculty of Environment and Information Studies, Keio University, Fujisawa-shi, 252-0882 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.100 No.6 pp.499-505 2017年6月

©電子情報通信学会2017

1.は じ め に

 筆者は生物に学んだ新しい計算の可能性を探ってきた.具体的には,自律分散情報処理系の典型例であるアメーバ状生物・粘菌(図1(a))に注目し(1)(3),その非決定論的な並行計算原理を抽出することを通して,複雑な制約を満たす解を膨大な数の候補の中から高速に探索するアルゴリズム(ソフトウェア)を定式化した(4),(5).このアルゴリズムを従来のシリコンデバイスとは異なる先端デバイス(ハードウェア)を用いて実装することにより,小形・低消費エネルギーの非ノイマン形計算機を開発することを目指している(6)(8).こうした新しい計算手法の用途の一つとして注目しているのは,自然現象のシミュレーションである.現在,化学反応のダイナミクスを,従来手法では実現できない低計算コストでシミュレートすることを目標とした研究が進行中である(9).これがうまくいけば,未知の反応の経路や副生成物,それらの速度論を半定量的に予測することが可能になるだろう.

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 こうした目標は,「自然計算(Natural Computing)」と呼ばれる研究分野(10)が目指すものと軌を一にする.自然現象は,原子,分子,細胞,生物個体等の集団が相互作用しながら確率的に振る舞い,環境の膨大な情報を処理する過程であると捉えることができる.自然現象が有する強大な計算パワーを理解し活用する道を探ることは,新たな計算パラダイムの創成につながるだろう.

2.自 然 計 算

 半世紀以上前に創始されたディジタル計算パラダイムは,決定論的状態遷移を逐次的に行う「チューリングマシン」を基礎としており,処理の手順を符号化して記述するプログラム(ソフトウェア)を記憶装置から読み込むことで,同一の中央処理装置(ハードウェア)を用いて異なる処理を実行できる「ノイマン形計算機」と呼ばれる高い汎用性を持つシステムを実現した.それ以前は,処理の手順は電気的配線などのハードの構成により表現されており,異なる処理を実行するためには構成を物理的に変更する必要があった.チューリング-ノイマンパラダイムの登場により,ソフトとハードが分離され,両者の開発を分業で進められるようになったことが,その後の高度情報化社会の到来を促した重要な一因であろう.事実,21世紀に入り加速的発展を遂げる情報通信技術を担っているのは,半導体デバイスの微細化限界に挑戦するハードウェア産業と,人工知能プログラムの威力を誇示するソフトウェア産業である.

 これからの100年,個別の用途を持つ無数の小形機器が接続されるIoT(Internet of Things)時代から始まる世界が,依然としてチューリング-ノイマンパラダイムの延長線上でのみ展開されると考えてよいものだろうか? 膨大な数の機器に搭載され得るのは,小形で低消費エネルギーの計算デバイスであろう.それらは,想定外の環境変化にも適応できる柔軟性を備えている必要がある.自然界に目を向けると,生命系はハードとソフトがこん然一体となって環境適応的な振舞いを実現する,小形・低消費エネルギーの計算デバイスであるとみなせる.こうした生命・自然現象に学んだ科学技術が,これからの100年をけん引するのではないだろうか?

 自然計算は,今世紀に入り理論と実験の両面で自然科学と計算機科学の融合研究が活発化している学際領域であり,以下のようなステップを通して新たなパラダイムを創成することを目標としている(10)

 (1) 自然現象を計算の観点から観察する.

 (2) その観察に基づいて計算モデルを構築する.

 (3) 計算モデルを分析し普遍化する.

 (4) 計算モデルを自然現象で再実装することにより計算の可能性を探求する.

 (5) 普遍化したモデルで自然現象の新たな理解を生む.

 生命・自然現象に着想を得た代表的なアルゴリズム(ソフト)としては,「遺伝的アルゴリズム」,「ニューラルネットワーク」,「焼きなまし法」などが挙げられる.また,生命・自然現象をハードとして用いる計算手法としては,DNA分子の集団を組合せ最適化問題の解探索に利用する「DNA計算」が有名であり,そこからナノスケールの構造体を作る素材としてDNA分子を利用する技術が生まれている(11).次章で紹介する「アメーバ計算」は,正に上記(1)~(5)のステップを経て発展してきた自然計算研究の好例であると言える.

3.アメーバ計算

3.1 アメーバ計算機

 アメーバ状単細胞生物・真性粘菌(Physarum polycephalum)変形体(図1(a))は,複数のえさを配置すると,それらを結ぶ最短経路を取る形状に変形することで,栄養物質の吸収効率等を最適化できる(12).これは,神経系のような中央集権型の情報処理系を欠く粘菌アメーバが,ある種の最適化問題を自律分散的なやり方で解く計算能力を有していることを意味する.

 筆者らは,アメーバの足が伸びたり縮んだりできるような構造内(図1(b))で,それらが忌避応答を示す光刺激を照射できる制御システム(図1(c))を構築した.アメーバは栄養物質吸収量を最大化するべくなるべく多くの足を伸ばしたいが,光照射されると縮退せざるを得ない.このとき,光照射のオンオフをアメーバの形状(足の伸縮状態)に応じて更新するフィードバック規則として「ホップフィールド型ニューラルネット」を採用すると,アメーバが光被照射リスクを最小化できる組合せの足だけを伸ばそうと試行錯誤し変形する過程で,組合せ最適化問題「巡回セールスマン問題」の準最適解を探索できることが分かった(1).この「アメーバ計算機」において,アメーバの複数の足やそれらのハブとなる部分は,そこで発生する大自由度の複雑な時空間振動ダイナミクス(3)により,光照射の経験を記憶し,光刺激に対する応答の適切な揺らぎを生成する役割を持つ.実際,ハブ部分を分断する対照実験を行うと,解の質と探索時間が著しく劣化した(2).このことから,本システムの制御ダイナミクスを,時間的・空間的相関を持つダイナミクスとカップルさせると,解探索性能を大きく向上できるという知見が得られた.

3.2 アメーバ型アルゴリズム

 筆者らは,アメーバ計算機の計算原理を抽出し,重要な組合せ最適化問題「充足可能性問題(SAT: Satisfiability Problem)」の解を高速に探索できるアルゴリズム「AmoebaSAT」を定式化した(4),(5).SATとは,複数の論理的制約条件を満たすよう変数mathmathに真偽値(1又は0)を割り当てることができるか判定する一種の制約充足問題である(13).図2の例は,SAT解mathmathを持つ.SAT解を高速に探索できると,検証や情報セキュリティ等,広範な応用において威力を発揮すると期待される.ところが,「NP完全問題」であるSATを多項式時間で解くアルゴリズムは知られていない.その解候補の数は問題サイズmathに対して指数関数的mathに増大し,組合せ爆発を引き起こす.

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 AmoebaSATは,各変数mathの真偽値mathmathまたはmath)を,アメーバの足mathが伸びた状態math若しくは縮んだ状態mathにより表現する.各足mathは「バウンスバック信号」と呼ばれる抑制信号が適用されるときmath縮退し,そうでないときmath伸長する.ただし,後者のときにも伸長しない「揺らぎ動作」が一定の確率で発生することが重要である.一方,mathが3値を取るのは,2値ではバウンスバック信号が連続して適用された経験を記憶できないからである.

 離散時刻mathの全てのバウンスバック信号mathは,問題例に応じて定義される「バウンスバック規則」と呼ばれる禁止則に従い,全てのmathを参照して決定される.例えば,図2(a)の状態ではmathmathmathが成立しており,これはmathmathという割当てを表現する.この状況で条件mathに注目すると,これを充足するにはmathという割当ては許されない.そこで,mathを禁じるバウンスバック信号mathを適用する.同様に,条件mathmathからmathが,mathからmathmathが決定される.図2(a)ではmathmathも適用されているが,それぞれmathmathという割当てに対する排中律を成立させるためである.こうした方針に従い,全条件につき変数間の相互依存関係を調査し,バウンスバック規則の集合が定義される.これらの規則が禁じる足の伸長を抑制する操作「バウンスバック制御」を反復することで,全ての足は同時並行的に伸び縮みを繰り返す.各足のバウンスバック信号に対する応答は確率的に揺らぐため,解探索ダイナミクスは非決定論的になる.そして,全ての足がバウンスバック規則に抵触せずに伸びた状態若しくは縮んだ状態を維持できる安定状態に到達したとき,SAT解を発見することができる(図2(b)).

 AmoebaSATの解探索性能を従来の確率的局所探索アルゴリズムと比較すると,制約条件をランダムに生成して構成される問題例につき,前者は後者より圧倒的に少ない反復回数で解に到達することが分かった(5),(6),(8).1回の反復処理において,従来のアルゴリズムが一つの変数の値のみを更新するのに対し,AmoebaSATは全変数の状態を同時並行的に変化させるため,状態空間中のより遠方へとより短時間で移動できる.この特長が高い解探索能力をもたらしていると考えられる.したがって,AmoebaSATを物理的に実装し,反復処理をより高速に実行できるハードウェアを開発できれば,ノイマン形計算機で従来型アルゴリズムを走らせるより圧倒的に短時間でSAT解を探索できる可能性がある.

3.3 アメーバ型デバイス

 近年,組合せ最適化問題を非ノイマン形計算機により高速に解くことを目指した研究が活発化している(14)(16).特に,「量子アニーリング」と呼ばれる手法を実装した計算機が製品化されたことは世界的なニュースとなり注目を集めた.量子アニーリングは,熱揺らぎにより低エネルギー状態を探索する焼きなまし法とも類似するが,複数の量子ビット間の相互作用により問題例を表現し,量子力学的な方法により揺らぎを与える点に特徴があり,より高速な最適解探索を実現する(16).一方,アメーバ計算機は,アメーバ足間の相互作用を担う光照射系によるバウンスバック制御とアメーバの時間的・空間的相関を持つ振動ダイナミクスから生成される揺らぎとがカップルされた系であり,両者がうまくかみ合うことにより解探索性能が大きく向上する(2),(3).ただし,現状のAmoebaSATにおいては,後者は部分的に表現されているのみである.具体的には,時間相関を持つカオス振動を生成するロジスティック写像を用いて揺らぎ動作を発生させており,これが熱揺らぎのような無相関のランダム(白色)雑音を用いた場合と比べて顕著に解探索性能を向上させることを確認している(5).一方,空間相関を持つ揺らぎは明示的には導入されていない.今後,AmoebaSATを大自由度の物理的相互作用や確率的挙動を示す先端デバイスを用いて実装することにより,それらの時間的・空間的相関を持つダイナミクスがもたらす解探索能力を調査し,他の非ノイマン形計算機と比較することは,興味深い研究課題になるだろう.そこから得られる知見は,他の非ノイマン形計算機もやはり揺らぎ源として時間的・空間的相関を持つダイナミクスを用いることで,その性能を向上できる可能性を示唆するかもしれない.

 現時点で筆者らは,複数のコンデンサを並列接続してアメーバを表現し(7),アナログ電子回路によりSAT解を探索できることを実証している(17).また,ディジタル電子回路(FPGA)による正常な解探索動作も確認している.一方筆者らは,ナノ寸法の量子ドットのネットワークにおいて,近接場光相互作用を介して励起子の移動先となる量子ドットが選択される過程で,光の非局所性と量子的確率性がもたらす効果によりSAT解を探索できることを,数値シミュレーションにより示した(6).更に,熱揺らぎを利用して確率的な応答を実現する半導体ナノワイヤ素子「電子ブラウンラチェット」を用いることで,AmoebaSATと等価な回路(図3)を小形・低消費エネルギーで実装するアーキテクチャも提案した(8).そこでは,時間相関を持つ揺らぎが解探索性能を大きく向上させることを数値シミュレーションにより示した.今後これらの提案のみならず,バウンスバック信号適用経験を記憶したり,時間的・空間的相関を持つ揺らぎを生成したりできる他の先端デバイスによる実装形態が複数提案されることだろう.そして,こうした先端デバイスの時間的・空間的相関を持つダイナミクスの持つ計算パワーが,実験的に評価され比較されることになるだろう.

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3.4 アメーバ型化学反応シミュレータ

 自然現象のシミュレーションによく用いられる分子動力学法は,多数の粒子の引力や斥力による集合や離散を記述するが,それ自体では原子間結合の生成と解裂を扱えず,化学反応は表現できない.一方,反応式と反応速度が既知であれば,それらが定義する連立常微分方程式を解くシミュレーション手法が有効であるが,この手法は未知の反応に適用することはできない.未知反応を扱うには,第一原理計算を基礎とする量子化学的計算手法が必要になるが,現在最速のスパコンを用いても,数マイクロ秒以上の計算を実用的な時間内で実行することは難しい.この困難は今後数桁の性能向上が見られたとしても立ちはだかる課題であり,大規模な化学反応の長時間にわたるシミュレーションを実現するには,ハードとソフトの両面で全く新しいアプローチが待望されている.

 筆者はAmoebaSATの以下のような特徴的な挙動に興味を持った.複数の解を持つ問題例を解くとき,AmoebaSATの時間発展では,一つの解に到達し安定した後,揺らぎの効果により,他の解へと遷移する挙動が確率的に生じる(図4).この安定期間の長さと遷移確率(頻度)は,それぞれ化学反応における熱力学的安定性と反応速度論に類似する.そこで,物理化学法則を反映する制約条件を「確率的バウンスバック規則」として設定することで,時間発展が一時的に安定化した状態への到達により存在可能な分子群の形成を表現し,その状態から他の状態への遷移ダイナミクスにより化学反応プロセスを表現するモデル「AmoebaChem」を提案した(9).具体的には,原子間結合の生成と解裂を表現する変数(図5)を考え,ルイスのオクテット則,結合解離エネルギー,分極やイオン化が引き起こす置換,脱離,付加反応などを局所的に表現する確率的バウンスバック規則を定義し,それらのパラメータ(確率)を既知の反応とおおむね整合的な結果が得られるように設定する.将来的には,このパラメータ設定を用い,未知の反応経路や副産物の分析や発見,従来手法では実現できない未知反応の速度論の半定量的なシミュレーションを実現することが目標となる.

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 図5の例では,2個のNと6個のHから成る系を考え,簡単のため,オクテット則から定義されるバウンスバック規則のみを示した.AmoebaChemは,一時的な安定解が表現する存在可能な4種類の状態({N2,3H2},{2NH3},{N2H2,2H2},{N2H4,H2})を発見できる.更に,それらのどれが頻繁に形成されやすく,どれが安定で,どの分子からどの分子への遷移が発生しやすいかなどの情報を提供することができる.

 一般に系の規模が大きくなると存在可能な化合物を含む化学空間は広大になる.事実,比較的低分子量のアミノ酸だけを考えても,現行生物が用いている20種のほかに,約2,000種以上が存在可能である.こうした化学空間を従来手法で探索するのに要する計算コストは膨大である.しかしAmoebaChemは,第一原理計算で扱われるような実空間や実時間を捨象し,原子間結合の有無及びその時間発展のみによって化学反応を表現することにより,計算コストを劇的に削減する.今後の課題は,数千から数万原子規模の系の挙動を長時間にわたりシミュレートできる計算システムを,ハードとソフトの両面から構築することである.これが実現すれば,有機化学合成や創薬などの応用を大きく前進させることができ,更に自然現象の新たな理解をもたらし得ると期待される.

4.未知たん白質合成,そして拡張生命へ

 筆者が天然の「自然計算デバイス」として注目するのはたん白質である.アミノ酸の配列から決まるエネルギー最小の安定な立体構造を探索する「たん白質フォールディング問題」は,極めて高い計算コストが要求される複雑な問題として知られる(18).アミノ酸配列(ペプチド)はソフトウェアのように情報を符号化しているが,フォールディング問題の解を周辺環境と協働して探索するハードウェアでもある.そして,この探索問題の解である立体構造を取ることで,たん白質は触媒や構造形成といった様々な機能を実現している.こうした探索ダイナミクスを高速にシミュレートできる手法を確立できれば,所望の機能を持つたん白質を人工的に設計可能になり,医療や産業に大きなインパクトを与えるだろう(19)

 しかし,たん白質フォールディング問題を従来の計算手法で解決することは極めて困難であり,ハードとソフトの両面で全く新しいアプローチが待望されている(18).本稿ではできる限り楽観的に,AmoebaChemを発展させることにより,将来はフォールディングダイナミクスを低計算コストでシミュレートできる手法が確立されると仮定する.具体的には,各変数がアミノ酸同士の相対的位置を表現し,互いの反発力や引力,空間的制約条件などを確率的バウンスバック規則により導入することで,安定な立体構造への収束プロセスをシミュレートできるようになるとしよう.そこでは,現行生物が用いる20種以外のアミノ酸も考慮に入る.こうしたたん白質は,遺伝暗号にコードされていないアミノ酸を含むので,細胞内反応であるRNAからの「翻訳」過程に依拠した遺伝子工学(19)や合成生物学(20)の手法で合成するには幾つもの技術的革新が必要になる.更に,天然変性たん白質(18)のように,それ単体では立体構造を取らず不安定に振る舞うが,他の特定のアミノ酸配列(群)と遭遇すると安定した構造へと収束し機能を発揮する「プログラム演算」のようなダイナミクスもシミュレートできるようになるものとする.

 こうして,天然には存在しない未知の機能を持つたん白質やそれらの自己集合構造,そしてそれらが織り成すプログラムされたダイナミックな機能を自在に設計できるようになるとしよう.更に,それらを実際に合成する実験的技術もやがて確立されると想像しよう.こうしたたん白質ベースの分子マシンは,生命系内部から「翻訳」を介して創り出されるのではなく外部で合成されるので,遺伝子改変に伴う安全性や生命倫理の問題を回避できる.そして,こうした分子マシンを外部から付加されることにより,生物はその能力や機能を拡張できるようになるだろう.それは,過酷な環境条件や病原体に対する耐性が強化された生物のみならず,光合成して燃料を合成するフォトニクス機能や,電子デバイスと融合して高速に情報を処理するエレクトロニクス機能などを持つ,新しい生命体の可能性を開くだろう.こうした「拡張生命(Augmented Life)」がありふれた存在となっているのが,筆者が想像する100年後の世界である.

文     献

(1) M. Aono, Y. Hirata, M. Hara, and K. Aihara, “Amoeba-based chaotic neurocomputing: Combinatorial optimization by coupled biological oscillators,” New Gener. Comput., vol.27, no.2, pp.129-157, April 2009.

(2) L. Zhu, M. Aono, S.-J. Kim, and M. Hara, “Amoeba-based computing for traveling salesman problem: Long-term correlations between spatially separated individual cells of Physarum polycephalum,” BioSystems, vol.112, no.1, pp.1-10, April 2013.

(3) K. Iwayama, Y. Hirata, M. Aono, L. Zhu, M. Hara, and K. Aihara, “Decision-making ability of Physarum polycephalum enhanced by its coordinated spatiotemporal oscillatory dynamics,” Bioinspiration & Biomimetics, vol.11, no.3, 036001, April 2016.

(4) M. Aono, S.-J. Kim, L. Zhu, M. Naruse, M. Ohtsu, H. Hori, and M. Hara, “Amoeba-inspired SAT solver,” Proc. NOLTA 2012, pp.586-589, Majorca, Spain, Oct. 2012.

(5) M. Aono, S.-J. Kim, S. Kasai, H. Miwa, and M. Naruse, “Amoeba-inspired spatiotemporal dynamics for solving the satisfiability problem,” Advances in Science, Technology and Environmentology, vol.B11, pp.37-40, March 2015.

(6) M. Aono, M. Naruse, S.-J. Kim, M. Wakabayashi, H. Hori, M. Ohtsu, and M. Hara, “Amoeba-inspired nanoarchitectonic computing: Solving intractable computational problems using nanoscale photoexcitation transfer dynamics,” Langmuir, vol.29, no.24, pp.7557-7564, April 2013.

(7) S. Kasai, M. Aono, and M. Naruse, “Amoeba-inspired computing architecture implemented using charge dynamics in parallel capacitance network,” Appl. Phys. Lett., vol.103, no.16, 163703, Oct. 2013.

(8) M. Aono, S. Kasai, S.-J. Kim, M. Wakabayashi, H. Miwa, and M. Naruse, “Amoeba-inspired nanoarchitectonic computing implemented using electrical Brownian ratchets,” Nanotechnology, vol.26, no.23, 234001, May 2015.

(9) M. Aono and M. Wakabayashi, “Amoeba-inspired heuristic search dynamics for exploring chemical reaction paths,” Orig. Life Evol. Biosph., vol.45, no.3, pp.339-345, July 2015.

(10) 小林 聡,萩谷昌己,横森 貴,山村雅幸,木賀大介,礒川悌次郎,ペパー フェルディナンド,西田泰伸,角谷良彦,本多健太郎,青野真士,自然計算へのいざない,近代科学社,東京,2015.

(11) 小宮 健,瀧ノ上正浩,田中文昭,浜田省吾,村田 智,DNAナノエンジニアリング,萩谷昌巳,横森 貴(編),近代科学社,東京,2011.

(12) T. Nakagaki, H. Yamada, and Á. Tóth, “Intelligence: Maze-solving by an amoeboid organism,” Nature, vol.407, p.470, Sept. 2000.

(13) Handbook of Satisfiability, A. Biere, M. Heule, H. Van Maaren, and T. Walsh, eds., IOS Press, Amsterdam, 2009.

(14) T. Inagaki, Y. Haribara, K. Igarashi, T. Sonobe, S. Tamate, T. Honjo, A. Marandi, P.L. McMahon, T. Umeki, K. Enbutsu, O. Tadanaga, H. Takenouchi, K. Aihara, K. Kawarabayashi, K. Inoue, S. Utsunomiya, and H. Takesue, “A coherent ising machine for 2000-node optimization problems,” Science, vol.354, no.6312, pp.603-606, Nov. 2016.

(15) M. Yamaoka, C. Yoshimura, M. Hayashi, T. Okuyama, H. Aoki, and H. Mizuno, “A 20k-spin ising chip to solve combinatorial optimization problems with CMOS annealing,” IEEE J. Solid-State Circuits, vol.51, no.1, pp.303-309, Jan. 2016.

(16) 西森秀稔,大関真之,量子コンピュータが人工知能を加速する,日経BP社,東京,2016.

(17) 若宮 遼,葛西誠也,青野真士,成瀬 誠,巳波弘佳,“アメーバ型最適化問題解探索アルゴリズムの電子回路実装,”信学技報,ED2014-152, pp.81-85, Feb. 2015.

(18) 新井宗仁,“タンパク質の揺らぎと機能~結合と触媒~,”揺らぎ・ダイナミクスと生体機能~物理化学的視点から見た生体分子~,寺嶋正秀(編),第17章,pp.267-280,化学同人,東京,2013.

(19) 最新ペプチド合成技術とその創薬研究への応用,遺伝子医学MOOK21号,木曽良明(編),第3章,pp.125-130,メディカル ドゥ,大阪,2012.

(20) 土居信英,柳川弘志,浅島 誠,板谷光泰,菅原 正,四方哲也,合成生物学(現代生物科学入門 第9巻),岩波書店,東京,2010.

(平成29年1月17日受付)

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(あお)() (まさ)() (正員)

 平11慶大・環境情報卒.平16神戸大大学院博士課程後期課程了.理博.平16理化学研究所入所.以来,複雑系科学,自然計算の研究に従事.平25東工大・地球生命研究所入所.平25JST・さきがけ研究者(兼務).平28文部科学大臣表彰若手科学者賞受賞.平29慶大・環境情報・准教授.


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