喜安善市賞

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Vol.100 No.7 (2017/7) 目次へ

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 本会選奨規程第17条による喜安善市賞(第10回)は,下記の論文を選定して贈呈した.

Model-Based Compressive Sensing Applied to Landmine Detection by GPR

(英文論文誌C 平成28年1月号掲載)

Riafeni KARLINA佐藤源之

 多くの地雷被災国において紛争終了後数十年を経た現在も埋設された地雷による被害は後を絶たず,土地の利用や地域住民の生活に大きな支障を来し,社会の発展や経済回復の障壁となっている.地中レーダ(GPR)技術は地雷検知に有効であると考えられてきた.東北大学はハンドヘルド型GPRセンサALISを開発しカンボジアで80個以上の地雷を検知したが,数多くの問題を解決しない限り実用的な利用には至らない.その問題の一つはフーリエ変換に基づく合成開口レーダイメージングを行う場合,ナイキスト定理を満たす空間的に密なデータを取得するためにはGPRデータ取得間隔を狭くしなければならず,取得に時間がかかることであり,また分解能にも限界がある.

 本論文は合成開口レーダのイメージングに圧縮(コンプレッシブ)センシング(CS)法を導入することでこの問題の解決を目指した.CSは信号のSparsity(空疎性)を利用して,こうした限界を打破する技術である.地雷は比較的疎に埋設されており,一組のレーダデータには数個のターゲットしか含まれないからCSを適用する条件を満たしている.しかし地雷は点散乱体ではなく,また非常に強いクラッタ環境下であるため,CSの適用は容易ではない.

 そこで本論文ではModel based CS法の導入を提案している.Model based CS法は他のCS法に比べてモデルに適合する対象を的確に推定できる.更に地雷からの電波散乱を幾つかのピクセルからの散乱の集合とみなすブロック構造を導入することで埋設地雷のイメージングに成功した.提案手法は実験室データだけでなく,東北大学がカンボジア実地雷原で取得した実データへも適用することでその有効性を検証した.

 本論文ではクラッタの強い実データに対しても合成開口レーダ処理にCS法を導入することにより,データ取得の高速化と再構成イメージの高分解能化が図れることを実証した点で学術的な意義が高く本賞に値する.

区切


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