創立100周年記念特集通信技術の進化と未来への展望──通信分野が目指す社会貢献と技術の将来像── 編集にあたって

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Vol.100 No.8 (2017/8) 目次へ

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編集にあたって

編集チームリーダー 植松芳彦

 電話やインターネットの普及,ICTによる生活や業務の効率化など,情報通信網は人々の活動を支えるライフラインとして定着し,今なおトラヒック量は増加の一途にある.更にIoTやIoEのキーワードで議論されるとおり,今後の情報通信網は人々に直接サービスを提供するにとどまらず,社会基盤の安全性向上や様々な産業の付加価値創造を支援し,間接的に人々の生活環境を豊かにする貢献サイクルが着実に増加する.このような社会貢献サイクルの拡大や多様化の中で発生する,端末デバイス群の多様化や飛躍的増加,サービスの多様化,移動トラヒックの飛躍的増大,社会や産業に不可欠な基盤たるための絶対的可用性等の新たな要求条件は,個々の技術の進化をドライブする原動力となろう.またディジタル化,IP化,光化やワイヤレス化等これまでの技術の進化が物語るとおり,個々の技術のブレークスルーが,サービスや社会貢献の在り方を大きく変革する可能性を秘める.今後も情報通信網は,社会の要請と技術の進化の相互作用により持続的に発展し,「不可欠な基盤」として更に深く社会に浸透するに相違ない.

 今月は,通信分野の各研究専門委員会(以下,研専)を代表する皆様のリレーにより,今後の社会貢献の在り方,実現すべき仕組みや技術目標,これまでの進化の経緯を踏まえた課題を俯瞰し,分野が目指す将来像をあぶり出す特集企画をお届けする.

 1章では上で述べた社会貢献サイクルの拡大を,人々の生活環境の向上,並びにそれを支える社会基盤や産業の高度化の両面から解説頂く.後者について会誌では,教育,医療,エネルギー,交通・流通,農漁業,製造業,災害対策等の側面から取り上げてきたが,今回はエネルギーと医療・ヘルスケアに焦点を当てて頂く(ASN,ICT-SG,MICT研専).

 2章では,多様かつ無数の端末デバイス群を堅ろうかつ柔軟に接続するネットワーク基盤の在り方を,レイヤをまたぐ機能配備やシステム構成,大量のデータ処理や利用の多様化に適したソフトウェア基盤,究極のプログラマビリティの視点から解説頂く(NS,IN,NV研専).

 3章ではトラヒック量の飛躍的増大が進む中での光伝送基盤の在り方を,アクセス/中継系の領域ごとの方向性,それを支える伝送媒体の高度化,時間・空間・周波数軸上の光資源の動的な運用の視点から解説頂く(CS,OCS,EXAT,OFT,PN研専).

 4章では無数の端末デバイスが電波空間を共有する中での無線伝送基盤の在り方を,アンテナ・電波伝搬や通信方式の基本技術,短距離/長距離の領域ごとの方向性,時間・空間・周波数軸上の無線資源の動的な運用の視点から解説頂く(AP,RCS,SRW,SAT,SR研専).

 5章ではサービスの多様化,移動トラヒックの増大が進む中でのネットワーク管理運用の在り方を,エンドエンド品質・性能評価,構成や設計の最適化,サービスやエレメントの統合管理の視点から解説頂く(CQ,ICM研専).

 6章では端末デバイスの多様化や能力向上,トラヒックの飛躍的増大が進む中での環境エネルギー技術の在り方を,給電・空調システムの高度化による環境負荷低減,無線技術を利用した給電の飛躍的効率化の視点から解説頂く(EE,WPT研専).

 通信技術の進化が社会や産業にもたらすインパクト,先人のたゆまぬ努力と先見性,「不可欠な基盤」に昇華するための高く遠い技術目標,解くべき課題の広がりと深み,道なき道を歩む各研専の気合や意気込みを実感頂き,会員皆様の研究開発の一助として頂ければ幸いである.

 最後に,企画段階より精力的な御尽力を賜った各研専並びに研専運営会議の皆様,御多忙の中快くお引き受け頂いた執筆者の皆様,編集チームの皆様,学会事務局の皆様に深く御礼申し上げる.

 特別編集チーム

 植松 芳彦  札場 伸和  塩田 茂雄  今村浩一郎  岡田  啓  小川 裕之  川喜田佑介  川西  直  小泉 健吾  髙橋 清隆  瀧川 道生  豊田 雅宏  中川 健治  中台 光洋  中平 勝也  潘  珍妮  本間 寛明  山田  曉  吉田 裕志 


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