ニュース解説 1Pbit/sの容量で205.6kmの世界初の空間多重光増幅中継伝送実験に成功――多次元符号化変調技術の適用で1,000km超伝送にも見通し――

電子情報通信学会 - IEICE会誌 試し読みサイト
Vol.100 No.8 (2017/8) 目次へ

前の記事へ次の記事へ


タイトル

◆今月のニュース解説

1Pbit/sの容量で205.6kmの世界初の空間多重光増幅中継伝送実験に成功

――多次元符号化変調技術の適用で1,000km超伝送にも見通し――

 1Pbit/s Spatial Division Multiplexed Fiber Transmission over a Record Distance of 205.6km

教師データ数を削減できる深層学習技術を開発

 Deep Learning with a Reduced Number of Training Data

1Pbit/sの容量で205.6kmの世界初の空間多重光増幅中継伝送実験に成功

――多次元符号化変調技術の適用で1,000km超伝送にも見通し――

 日本電信電話株式会社(以下NTT)は,デンマーク工科大学,(株)フジクラ,国立大学法人北海道大学,サウサンプトン大学,コリアント有限会社と協力し,ヘテロジニアス構造の32コアのマルチコアファイバを用いて,光ファイバ1本当り1Pbit/sの伝送容量で205.6kmの空間多重光増幅中継伝送実験に世界で初めて成功した.加えて,NTTの開発した多次元符号化変調技術を適用することで,容量は75%になるが,伝送距離を1,000km超に延伸できることが,一部波長で全32コアにおいて確認された.

 空間多重光伝送技術は,何らかの方法で空間的に光信号の通り道(チャネル)を複数構成する技術である.現在普及している一つのコアで光信号を伝送するファイバの代わりに,例えば,複数のコアを持ったマルチコアファイバを,新たな光送受信技術と組み合わせて用いることで,伝送容量を大幅に増やすことができる.この技術を使った,これまでの1Pbit/sを超える容量の伝送実験は,光増幅器による中継を行わない無中継伝送であり,その伝送距離は最大52kmであった(図1).従来のファイバと互換性の高いマルチコアファイバを用いた伝送実験では,12コアを用いて1Pbit/s超の容量を達成しながら必要な伝送信号品質を得るために,20%超の冗長度を持つ誤り訂正符号が適用されていた.この場合,1Pbit/sのデータを伝送するのに実際は1.2Pbit/s超の光信号を送る必要がある.このため,二つの光帯域を用い,32値以上の多値信号により周波数利用効率を向上する必要があった.しかしながら多値度が上がるほど光信号は,他チャネルからのクロストークなどの干渉や雑音の影響を受けやすくなり,高いSN比が伝送後に必要になる.また,二つの光帯域を用いると,光増幅中継器の構成が複雑になる上,高いSN比を双方の光帯域で長距離伝送後に得ることは難しく,伝送距離制限の要因となる.


続きを読みたい方は、以下のリンクより電子情報通信学会の学会誌の購読もしくは学会に入会登録することで読めるようになります。 また、会員になると豊富な豪華特典が付いてきます。


続きを読む(PDF)   バックナンバーを購入する    入会登録


  

電信情報通信学会 - IEICE会誌はモバイルでお読みいただけます。

電子情報通信学会誌 会誌アプリのお知らせ

電信情報通信学会 - IEICE会誌アプリをダウンロード

  Google Play で手に入れよう

本サイトでは会誌記事の一部を試し読み用として提供しています。