巻頭言 電子情報通信学会次の100年へ

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Vol.101 No.1 (2018/1) 目次へ

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 皆様,新年明けましておめでとうございます.

 本会は昨年5月に創立100周年を迎え,9月に催された記念式典には多数の御出席を賜り100周年を盛大に祝うことができました.改めて御礼を申し上げます.

 さて,これまでの100年を振り返ってみますと,この100年で電信,電話,移動通信,ブロードバンド等の情報通信インフラが広く普及し,更に,情報処理技術がものづくりや交通など様々な分野へと展開され社会の隅々まで行き渡った結果,電子情報通信技術は私たちの生活に必要不可欠なものとなりました.電子情報通信技術によってもたらされたシステムが社会生活,経済活動,産業活動に不可欠な基盤となったと言っても過言ではありません.この間,本会では会員各位のたゆまぬ研鑽と深い議論によって種々の技術を確立し,その結果として電子情報通信産業を我が国の基幹産業に成長させたものと認識しております.

 しかしながら今,技術のコモディティ化や米国を中心とする巨大企業の垂直ビジネスモデルによって基幹産業のポジションが揺らぎはじめるなど,私たちを取り巻く環境は劇的に変化しています.対応を誤れば,大きな痛手を負うことになりかねません.他方,歓迎すべき変化もあります.あらゆる分野で電子情報通信技術を活用し,社会的課題の解決や産業競争力の強化につなげようという動きです.正に,利活用の面から電子情報通信技術を発展させる時を迎えています.利活用により新たな価値を産み出すためには,他分野との連携が不可欠です.従来のような本会に閉じた活動では不十分です.本会に幅広い業界から多様なプレイヤーが集い,対等かつ機動的に連携することによって,初めて社会的インパクトの大きい,国際競争力のある新しい価値を生み出すことができるものと確信しています.従来の枠を超えなければ,何も生まれない状況に直面しています.結果が出るには時間が掛かると思いますが,一つ一つを積み重ねることが大切であり,その営みが本会の求心力強化につながると信じています.

 言うまでもなく,中長期的な視点も不可欠です.将来の競争力の源泉となるような誰も見たことがない電子情報通信技術の可能性を追い続けることも大きな使命です.数年後,気が付いたら諸外国の技術を利活用するだけの状態になっていたという状況は何としても避けなければなりません.増え続けるトラヒックに対応した伝送技術,抜本的低消費電力技術や,複雑化し続けるサイバー攻撃へ対処するためのセキュリティ技術といった直面する課題に取り組むことも不可欠です.また,“情報”の価値が高まる中,研究開発者の倫理観についても再考する時期に来ていると思います.昨年6月に会長に就任させて頂いた際,「学術を究めること」,「他分野連携を拡大し求心力を強化すること」という,これから本会が歩むべき二つの方向性をお示ししました.つまり,本会は技術を深め,利活用幅を広げる,その両面が議論できる場であるべきで,そこが目指すべきところだと考えます.

 本会は昨年の創立100周年で変化の端緒を開きました.その変化をより大きなうねりとするには皆様の行動が欠かせません.本会では昨年から他分野連携の拡大に向けた議論の場を設けてきましたが,具体的な活動はまだまだこれからです.是非そういった場に参加して議論を重ねて頂きながら力を磨き,我が国の成長に大きく貢献して下さい.本年が次の100年に向けて更なる変化を遂げ大きく飛躍する年となるよう,矜持を持って共に力強く歩んでまいりましょう.


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