特集 間もなく離陸する5G――新たな通信社会は何が変わるのか?―― 編集にあたって

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Vol.101 No.11 (2018/11) 目次へ

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特集

間もなく離陸する5G

――新たな通信社会は何が変わるのか?――

特集編集にあたって

編集チームリーダー 宮本智之

 読者の皆様は,10年,20年前の電話や情報通信の状況をまだ覚えているでしょうか.そこから少し遡ると固定電話のみでした.実際は自動車電話(あえて携帯電話とは言いません.)もありましたが特別な人が利用するものでした.一方,モデムによるパソコン通信も利用されていましたが,一般的というほどではありませんでした.最近に本会会員になった方は,これらの話に実感はなく,映画やドラマで見た昔話に感じるかもしれません.

 その後,インターネットが普及し,一方,移動通信は,ポケベルやPHS,携帯電話を経てスマートフォンとなり,これらの融合を通して,ありとあらゆる情報がいつでもどこでも活用できるようになりました.更に現在は,より多様な情報を活用する,いわゆるIoTの考え方や自動運転といった高度な仕組みも進んでいます.それらは,膨大な情報を扱うクラウドや人工知能などの仕組みの進展だけでなく,移動通信・無線通信が活用しやすくなったこともその実現性を支えています.

 2020年代の移動通信のトラヒック量は2010年と比較して1,000倍以上になると言われています.つまり数年後には,スマートフォンが移動通信端末の中心となり始めた頃の数桁も多量の情報が通信されます.そこでは無線通信も合わせて,直接に人の扱う情報だけでなく,機器間でやり取りされる情報がますます増えるでしょう.このように更に拡大する情報通信を支えるために,移動通信・無線通信技術にも大きな飛躍が求められます.その中心として,現行の4G(LTE)に比べて多面的に特徴・特性を大幅に改善した第5世代移動通信システム「5G」があります.

 本特集では,2020年の実用開始に向けて研究開発が大詰めを迎えている5Gについて,まず,第1章「第5世代移動通信システム『5G』とは」として,5Gとはどのようなネットワークなのか,標準化の状況,国内の5Gの取組みの全貌,海外大型イベントの5G実証実験など,少し俯瞰的にその進捗を解説頂きました.また,第2章「5Gで開く新たなアプリケーション」として,スマホの次のサービス,自動運転,バーチャルリアリティ(VR),スタジアム応用,また,近距離無線との関係など,5Gがもたらす社会を見通すための解説を準備しました.更に,第3章「5Gを支えるテクノロジー」として,ネットワーク上位階層から見た機能や特徴,また,エレクトロニクスの視点から,材料,デバイス,回路などの進展と次の展開の可能性を解説頂きました.なお,5Gは,ハード,ソフト,応用なども含めた広い範囲が関わる概念と言えます.また,今も時々刻々進展しており,これに隙なく網を掛けて情報提供することは元々難しいものでした.このため,読者の皆様が全貌をあまねく把握するに至る特集になりきらなかったかもしれません.しかし,間もなくの実用に向けたその胎動を感じて頂ける記事を執筆頂いており,読者の皆様が,10年,20年後の社会を想像する一助になると考えています.じっくりと繙読頂ければ幸いです.

 最後になりますが,専門的知見から記事を執筆頂いた執筆者の皆様に深謝申し上げます.また,編集委員で構成される特集編集チーム及び他のワーキンググループ編集委員の皆様の御尽力に加え,本特集ではゲストエディターとして東京工業大学の阪口啓教授及び岡田健一准教授に,全体構成や執筆候補者の提案及び執筆者との調整など,多大に御協力を頂きました.この場をお借りして感謝申し上げます.

特集編集チーム

 宮本 智之  阪口  啓  岡田 健一  林  哲也  池田 和浩  大貫進一郎  狐塚 正樹  幸丸 竜太  斉藤 三長  鈴木 左文  關根 惟敏  堤  卓也  直井 美貴  西島 喜明  長谷川弘治  堀部 晃啓  宮嶋 茂之


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