巻頭言 社会の大きな変革を目の前にして

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Vol.101 No.3 (2018/3) 目次へ

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 社会の仕組みを大きく変化させる研究の流れが間近に見られるだろうという空気を肌で感じます.自動運転,深層学習の開発の急激な進展など,ニュースや雑誌などで頻繁に取り上げられていることを思えば,これまで当たり前と思ってきた風景が大きく変わってしまうかもしれないという可能性は,皆さんも多かれ少なかれ感じられているでしょう.これまで遠い夢のような話としてアニメの中で描かれていた,大量の車がぶつかりもせず,目的地まで人を運んでくれる世の中や,家の中で何かをしてほしいとつぶやけば,人のように目的を果たしてくれるシステムが,自分の目で見られるかもしれない.そう思うと,これから訪れるであろう研究の潮流を思い描くだけでも心が弾みます.

 さて,縁あってソサイエティの会長を務めさせて頂き,学会の運営側の立場から各種活動の状況・課題・解決のための検討などを関係者の皆様と議論させて頂いております.大会や研究会が今後の研究・開発成果について議論を戦わす場であることを考えれば,新しい社会の変革の中で,これまでの学会の枠では対応し切れないであろうことも,容易に想像がつくと思います.現在はソサイエティ・グループに分かれていて,それぞれに専門の分野がある程度定められています.更に,その中で詳細なスコープが多数定義され,研究専門委員会が構成されています.しかしながら,その枠を超えて,一つの仕組みを仕上げていくような大きな変化が起きようとしているのではないでしょうか.これまでも分野横断的な研究,新たな分野の創成が必要と唱えられてきていますが,やってみると面白いことができるかもしれない,との初期の段階を既に越えて,大きなうねりが後戻りできないほどの勢いとなって我々の前に現れつつあるのではないか,と感じます.

 大会・研究会,一般講演と招待講演,一般セッションとシンポジウムなどにおいて,発表する人の希望,聴講する人の需要に合ったイベントが用意されているというのが,学会が参加者に提供するサービスです.今ホットな分野や最先端の研究をしている研究者の講演があれば,聴講者も集まるでしょうし,関係者の参加がまとまって期待できる場であれば,投稿する人もいるでしょう.逆に,期待した情報が得られない,議論したくても反応がない場だと分かれば,人は離れていくことになります.そこで今の学会の姿を見たときに,参加する方々の期待に応えるような話題を取り上げ,議論が行われているでしょうか.また,せっかく議論の場が提供されているのに,情報を見逃したがために機会を失っていないでしょうか.この会誌を御覧の皆様は基本は会員の立場ですので,前者のような懸念をお持ちであれば企画の基本を時々振り返りながら検討頂きたいですし,後者のような懸念をお持ちであれば大会や研究会の開催案内に目を通して頂いて意見交換に参加して頂けると幸いです.私の思いは理想論に過ぎるかもしれませんが,少しでも本会が新たな時代のうねりから切り離されず,その先端の波に乗って関係者の様々な活動を触発するきっかけとなれるとうれしい限りです.


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