小特集 次世代を切り開く情報通信エネルギー技術 編集にあたって

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Vol.101 No.4 (2018/4) 目次へ

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小特集

次世代を切り開く情報通信エネルギー技術

小特集編集にあたって

編集チームリーダー 末次 正 菊間一宏

 かつて黒電話が通信手段として主役だった頃,各家庭やオフィスの黒電話の電源は電話局から直流で供給されていたため,通信用電源と言えばおおよそ電話局で用いられる電源であった.情報通信技術の形態の変化により,黒電話が携帯電話やスマートフォンへ,電話サービスがインターネット中心へと変わり,また,データセンターが大きな電力の需要先となってきているなど利用形態が広がってきている.

 情報通信用のエネルギーに求められる大きな特徴は電力の形態が直流であることであろう.情報通信用のエネルギー需要が増加しているため,電力需要全体においても最終的に直流として利用される電力の割合が増えてきている.情報通信用エネルギーと直流電力の相性は良く,電力自体を直流で供給する直流給電が現在脚光を浴び,普及へ向けて急ピッチで開発が進んでいるところである.

 一方,データ通信の量は爆発的に増大し,いまや増え続けるデータ通信が通信用の電力需要の増加をもたらしている.この増大する電力需要にいかに対応するかということが現在の情報通信用エネルギー技術において大きな課題となっている.今後IoT時代に入り,あらゆるものに通信デバイスが組み込まれていく.通信デバイス一つ当りの電力需要は少なくなるが,その数が爆発的に増大するため全体としての電力需要は爆発的に増大し,対応が重要となっている.そのためにエネルギーを融通するエネルギーマネジメント,再生可能エネルギーの利活用,蓄電・発電,新デバイスの開発,電源の小形化,ワイヤレス給電というように情報通信エネルギーの技術分野が今後ますます重要となり活発に展開してきている.

 本小特集「次世代を切り開く情報通信エネルギー技術」では,情報通信エネルギー技術を,情報データの両端点であるデータセンターの技術と情報通信端末の技術,及びそれらの情報データをつなぐ情報通信拠点としての基地局の技術という観点で捉え,それぞれの分野から,情報通信エネルギー技術の全体像,目指す方向性,主な技術課題を解説する.

 1章「情報通信拠点としてのデータセンターのエネルギー技術動向」では,廣瀬圭一氏(NTTファシリティーズ)が,情報通信拠点におけるエネルギー技術としてデータセンターのエネルギー技術の現状や課題の分析を行う.

 2章「情報通信拠点としてのグリーン基地局のエネルギー技術動向」では,竹野和彦氏(NTTドコモ)が,情報通信拠点として基地局のエネルギー技術の現状や課題の分析を行う.

 3章「情報通信端末としての情報機器のエネルギー技術動向」では,黒川不二雄氏(長崎総合科学大学)と大津智氏(NTTファシリティーズ総合研究所)が,情報通信エネルギー技術が活用される場として端末機器を取り上げ,端末機器におけるエネルギー技術を解説する.

 4章「様々な情報通信エネルギー技術の動向」では,1章から3章の現状分析を踏まえ,現在の情報通信拠点や情報通信端末のエネルギー技術の研究,及び今後の技術課題についてエネルギーマネジメント,再生可能エネルギー,蓄電・発電,新デバイス,電源の小形化,ワイヤレス給電というそれぞれの専門分野について紹介する.

 最後に多忙な中,原稿の執筆を御快諾頂いた執筆者の皆様,企画について御協力頂いた電子通信エネルギー技術研究専門委員会の皆様及び学会事務局の方々に深く感謝致したい.

小特集編集チーム

 末次  正  菊間 一宏  大須賀 徹  小林 崇春  齋藤  恵  芝  宏礼  杦浦 維勝  中台 光洋  西本 研悟  本間 寛明 


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