巻頭言 電子情報通信学会の国際セクション

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Vol.101 No.7 (2018/7) 目次へ

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巻頭言

副会長 佐古和恵電子情報通信学会の国際セクション

 皆さんは電子情報通信学会の海外会員の数を御存じでしょうか?

 電子情報通信学会の個人の会員数が2018年3月末で2万8,668名で,そのうち1割強の3,190名が海外会員なのです.10年前に比べて国内の個人会員の数に22%の減少がある中,海外会員の数は25%の増加という状況です.

 電子情報通信学会の特徴的な組織として,国際セクションがあります.日本国内に各支部があるように,海外の電子情報通信学会のメンバーが地域ごとにまとまって,活動をしています.近年では2013年にベトナムが,2015年にマレーシアが加わり,現在,中国,韓国,台湾,タイ,インドネシア,シンガポール,欧州などにセクションがあります.

 各セクションの成り立ちは様々ですが,日本の大学の留学生が母国に戻り,日本の先端の研究者と交流の場を継続できるようにと,母国で電子情報通信に興味を持つ知り合いを募り,セクションを形成した例が少なからず見受けられるようです.各セクションで会合を開く場合には,電子情報通信学会から一定の補助が付与されるので,その資金で,日本の先生や関連研究者を招へいして技術研さんをしているようです.そうすると,そこに初めて参加した現地の学生が,日本の技術を学び,日本への留学や日本との共同研究を希望し,と好循環も生まれています.

 欧州セクションは,これを単なる講演会ではなく,一般投稿も受け付ける毎年恒例の国際会議IEICE Information and Communication Technology Forumに昇格させました.6回目になる今年はオーストリアで開催予定です.昨年ポーランドで開催した会議に参加したのですが,3日間にわたって,アットホームな雰囲気で,日本の研究者,欧州の大学の先生や企業研究者,日本企業の欧州研究所の研究者と交流することができました.招待講演も多く,幅広い電子情報通信のテーマをじっくり違う観点から学ぶ機会になりました.初めて英語で発表するという大学院生も日本から参加しており,度胸をつけるのにも良い場所だと思います.是非,皆さんも来年の投稿を検討してみて下さい.

 このような国際セクションの活動がある日本の学会は少ないそうです.日本○○学会という名称の学会だと,他国の○○学会と連携して進める程度で,学会自身に国際セクションは設けないかもしれません.電子情報通信技術を,日本がリードしてアジアの各国に広げてきたから今の形があるかと思うと,電子情報通信学会は今後ともアジアの各国にも価値を届ける存在でありたいと思います.また,企業にとっては,海外進出の際に現地の信頼できるパートナーを見つけるきっかけになるかもしれません.

 日本色の強い運営文化の中で国際セクションを率いて下さっている代表者の方々には感謝に堪えません.海外会員が,単に論文を投稿するためだけに一時的に登録するのではなく,会員を継続する価値のあるサービスを提供する学会になるために何ができるか,国際セクションの代表者の皆さんや国際委員会の各位と一緒に,考えていきたいと思います.


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