小特集 2. 音声言語理解の応用システム

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Vol.101 No.9 (2018/9) 目次へ

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音声言語理解のこれまでとこれから

小特集 2.

音声言語理解の応用システム

Applications Using Spoken Language Understanding Technology

大庭隆伸

大庭隆伸 正員 (株)NTTドコモサービスイノベーション部

Takanobu OBA, Member (Service Innovation Department, NTT DOCOMO, Inc., Tokyo, 107-0052 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.101 No.9 pp.880-884 2018年9月

©電子情報通信学会2018

abstract

 昨今のAI(人工知能)ブームやスマートスピーカの登場により,音声入力が次世代のインタフェースとして注目を集めている.音声言語を理解する技術が重要さを増しており,その適用先も拡大している.音声言語理解の応用システムが広く社会に浸透していくには,それ自体の技術の向上に加え,サービス提供を支える周辺環境の整備が進むことも重要である.本稿では,音声入力型サービスの普及を支える環境の変化に言及するとともに,市場に登場しているシステムやサービスを中心に,音声言語理解の応用システムを紹介する.

キーワード:音声対話,音声AI,音声アシスト,コールセンター,ロボット

1.は じ め に

 この数年,人工知能(Artificial Intelligence,以下AI)という言葉が新聞やテレビなどのメディアで頻繁に登場し,音声AIなどの表現で音声インタフェースを伴う製品やサービスにも注目が集まっている.音声AIの代表格は,Amazon Echoなどのスマートスピーカであり,Amazon Alexa(1)やAppleのSiri(2)といった音声アシスト機能のことであるが,コールセンターのAI化やロボットとの会話なども含まれる場合もある.

 現在の音声AIの能力を手軽に試す方法の一つは,スマートフォンアプリを利用することである.iPhoneにはSiriが,NTTドコモのandroidスマートフォンには「しゃべってコンシェル」(3)がプリインストールされている.近くでテレビなどの雑音があっても音声を正しく認識できる点や,言葉の表現が違っても同一の内容であれば,それを正しく理解し同一の結果を返す点などを体験できる.例えば,「近くで今泊まれるホテル」と「この辺で空いてるホテル」は両方同じ結果を返す.

 このように音声認識技術により,音声を正しく聞き取れるようになったこと,言語理解技術により発話意図を正しく判定できるようになったことで,実サービスでの利用が広がってきている.本稿では「音声言語理解の応用システム」として,音声AIに関連する取組みを中心に紹介する.音声AIの進化の一つの側面に音声言語理解技術そのものの進化がある一方で,サービス固有の工夫や他の技術の導入といった点での進化もある.本稿では音声AI全体についての取組みを紹介することに重きを置き,音声言語理解とそれら周辺の技術・サービス動向まで含めて説明する.

2.音声AIへの期待と実用化に導く周辺技術の発展

 内閣府がまとめる日本経済に関する白書「日本経済2016-2017」では,AIを含む第四次産業革命は,少子高齢化を迎える日本経済の成長力の源泉であり,働き方・ライフスタイル改革などの社会変革の源泉になり得ると位置付けている.同白書では,従来人間によって行われていた労働の補助・代替などが可能になり,企業の生産性も飛躍的に向上する可能性があるとしている.端的に言えば,AIに投資をすれば,将来の収益が期待できると考えられるようになってきたのである.


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