小特集 5. 作詞AIによる人の創造力と想像力増幅の試み――電☆アドベンチャー作詞の経緯と今後の可能性――

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創造性・芸術性におけるAIの可能性

小特集 5.

作詞AIによる人の創造力と想像力増幅の試み

――電☆アドベンチャー作詞の経緯と今後の可能性――

An Attempt to Amplify Human Creativity and Imagination by Lyric AI: History of “Electric Adventure” and Future Possibilities

坂本真樹

坂本真樹 電気通信大学大学院情報理工学研究科情報学専攻

Maki SAKAMOTO, Nonmember (Graduate School of Informatics and Engineering, The University of Electro-Communications, Chofu-shi, Tokyo, 182-8585 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.102 No.3 pp.234-239 2019年3月

©電子情報通信学会2019

abstract

 アイドルグループ「仮面女子」に歌詞を人工知能で作って提供し,2017年4月にプレスリリースしたところ,新聞各紙やTVなどで多数報道された.本稿では,このプロジェクトがどのような経緯で開始したのか,そして作詞方法について紹介する.アイドルが描いたイラストの色彩などから単語をリスト化し,再帰的ニューラルネットワークなどの文章生成モデルにより作詞した.人工知能による人の創造力の増幅支援を意図していたが,社会の反響から,結果的に人の想像力の増幅効果があることも分かった.作詞AIの今後の活動の可能性にも触れる.

キーワード:作詞AI,創造力,想像力,アイドル楽曲

1.アイドルとのコラボレーション開始の背景

 2017年4月6日,東京秋葉原の仮面女子カフェで,人工知能で作詞した「電☆アドベンチャー」の記者発表イベントが開催された(図1).新聞各紙の記者が集まり,終了後は囲み取材もあった.

図1 ステージ上の様子

 翌日以降,新聞各紙に掲載された.「アイドルソングAIが作詞『仮面女子』と電通大コラボ」(産経新聞),「ええっ!? AIがアイドル楽曲作詞♪」(スポーツニッポン),「AI作詞曲」(日刊スポーツ),「作詞 アイドル×AI」(朝日新聞)など多種多様な新聞に掲載された.その後は,NHKや民放の各番組の取材も相次いだ.

 このように反響が大きかったのは,硬い国立大学で開発された人工知能とアイドルとのコラボレーションで,実際にアイドルに歌ってもらったことによると思われる.そもそもこのコラボレーションはどのように実現したのか,経緯について説明する.


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