小特集 9. 汎用人工知能――実世界に住まう創造的知能に向けて――

電子情報通信学会 - IEICE会誌 試し読みサイト
Vol.102 No.3 (2019/3) 目次へ

前の記事へ次の記事へ


創造性・芸術性におけるAIの可能性

小特集 9.

汎用人工知能

――実世界に住まう創造的知能に向けて――

AGI: Toward a Creative Intelligence Living in the World

山川 宏

山川 宏 正員 (株)ドワンゴ ドワンゴ人工知能研究所

Hiroshi YAMAKAWA, Member (Dwango Artificial Intelligence Laboratory, Dwango Co., Ltd., Tokyo, 113-0033 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.102 No.3 pp.259-264 2019年3月

©電子情報通信学会2019

abstract

 汎用人工知能(AGI)が社会にもたらす利益の大きさは,創造的知能,すなわち,科学的発見や技術的発明を通じて知のフロンティアを切り開くことへの貢献に着目して考察すべきであろう.現在のAIもある種の芸術作品を生み出すなどの面では創造性を発揮し始めているけれども,そのような域には達していない.そこで本稿では,創造性の一般モデルであるジェネプロアモデルを拡張し,それを用いて,創造性に関わるAI技術の現在の到達点の整理を試みた.

キーワード:汎用人工知能,創造性,技術的特異点,科学的発見,技術的発明,深層学習

1.は じ め に

 現状のAIでも,文学,音楽,絵画などの作品を生成することが可能となり,人間から見てもある種の芸術作品と解釈され得る作品を創作しつつある領域もある.しかし科学的発見や技術的発明,更にはビジネス企画などといった,世界に対して直接的に働きかけるような領域における実践的な創造性を獲得するには至っていない.

 人間社会は,知的能力の発揮により科学,技術,経済を革新することでその福祉を高めてきた.知能のあらゆる側面で人を凌駕する汎用人工知能(AGI)(用語)が実現すれば,一層大きな恵みがもたらされると予見される.

 特に,人を超える創造性をAIが持つようになることは,AIの研究開発自体が自己再帰的に加速されることを意味する.これは知能爆発の必要条件と考えられている(図1).

図1 知能爆発と創造的知能

 ここで改めて,創造とは何であろうか.日本創造学会は創造に対して23個の定義を紹介しているが,AIとして実装する上で興味深い定義として以下がある.


続きを読みたい方は、以下のリンクより電子情報通信学会の学会誌の購読もしくは学会に入会登録することで読めるようになります。 また、会員になると豊富な豪華特典が付いてきます。


続きを読む(PDF)   バックナンバーを購入する    入会登録


  

電信情報通信学会 - IEICE会誌はモバイルでお読みいただけます。

電子情報通信学会誌 会誌アプリのお知らせ

電信情報通信学会 - IEICE会誌アプリをダウンロード

  Google Play で手に入れよう

本サイトでは会誌記事の一部を試し読み用として提供しています。