特集 3-6 建設現場における働き方改革を実現する建設現場IoTソリューション

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Vol.102 No.5 (2019/5) 目次へ

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3. IoTの活用分野と応用例

特集3-6

建設現場における働き方改革を実現する建設現場IoTソリューション

Construction IoT Solution Reinforcing Work Style Reforms in Construction Industry

仲田正一

仲田正一 (株)NTTドコモIoTビジネス部

Shoichi NAKATA, Nonmember (IoT Business Department, NTT Docomo, Inc., Tokyo, 107-0052 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.102 No.5 pp.448-452 2019年5月

©電子情報通信学会2019

abstract

 現在,建設業界においては,労働力不足,労働環境の改善,労働生産性の向上など課題がクローズアップされ,建設現場での働き方改革が求められている.「現場管理」という実業務を遂行しながら「働き方改革」を実行していくためには,建設現場における管理ノウハウ(暗黙知)をアルゴリズム化(形式知化)する必要があり,ICT/IoTの導入が必須であると考えられる.NTTドコモが2018年2月に報道発表した「建設現場IoTプラットフォーム」は,建設現場の工程・品質・安全・原価管理に寄与するトータルソリューションとして成長し続けている.これまでPoCやトライアル導入を実施してきた成果と課題について考察する.

キーワード:建設業界,働き方改革,ソリューション,ICT/IoT

1.は じ め に

 建設業界における動きの一つとして4週8休の現場の実現,時間外労働の削減などを目指しており,今までと同じ工期で同業他社との競争力を維持するために「生産性の向上」,「時間外の削減」への取組みは必須である.国土交通省は「i-Construction」でICTソリューション活用の取組みを急ピッチで進めている状況にあり,これらは建設現場へのICT/IoTの導入なくては実現できないと考えられる.

2.業界課題に対する取組み

 NTTドコモ(以下,当社)は,2017年から建設現場でのICT/IoT導入検証を行っている.建設現場におけるICT/IoT活用の課題を以下のように仮定した.

個別最適システムの導入や,研究目的の技術検証にとどまり,現場利用が進まないのではないか.

建設現場を可視化するデータを,精度・費用対効果を高く取得することが難しいのではないか.

建設現場での活動に関する理解が低く,十分な経済効果が出せていないのではないか.

現場における個人情報やバイタル情報を含むディジタルデータ取扱いの経験が浅いのではないか.

 現場における価値を創出するためのデータ取得方法として課題を起点にソリューションを検討し,現場のオペレーション(現場運用)まで踏み込み,現場をディジタル化し得られたデータを分析することにより,現場業務プロセスを変革させ,効率化し働き方改革の実現に寄与する現場主導型の「建設現場IoTソリューション」の確立を目指した.これは,本プロジェクトにおける当社のミッションである.

 この手法によりデータが有用な「価値」を産み出し,更にそれらを組み合わせて建設現場のノウハウを注入して得られた意味のあるデータにより,建設現場のみならず,建設業界全体の改革に貢献し,経営課題の解決を促進・支援することにつながると考えたのである.


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