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CPSY研専は年間の発表件数も多く,年に7回程度開催している研究会は極めて盛況である.研究会若手講演賞(全発表件数の5%を表彰)や優秀若手デモ・ポスター賞を設定し,若手の発表を促している.また,様々な関連研究会と研究会を共催し,交流を図っている.例えば,情報処理学会ARC研究会とは,全ての研究会を連立開催としている.毎年夏に開催しているSWoPP(並列/分散/協調処理に関するサマー・ワークショップ)では,CPSY研究会を含め七つの研究会が同時に開催され,約150件の発表が行われている.これらの積極的な活動が功を奏していると考えられる.
更には,本研専は,様々な国際会議との連携に力を入れている.国際会議CANDAR(International Symposium on Computing and Networking)はその前身のICNC(International Conference on Networking and Computing)から協賛している.参加者は年々増えており,昨年の広島開催では,250名の参加者と約130件の発表が行われた.本会議の採択率は30%強であり,権威ある国際会議となりつつある.採択論文はIEEEのCPSから出版され,IEEEのディジタルライブラリに収録されている.また,国際会議HEART(International Symposium on Highly-Efficient Accelerators and Reconfigurable Technologies)や,NOC(International Symposium on Networks-on-Chip)も協賛している.これらの国際会議のジャーナル版の受け皿として,英文論文誌Dの「並列分散コンピューティングとネットワーキング小特集」を継続的に企画しており,毎年20~30件の投稿を集めている.
研究会以外の様々な研究発表の場が増えてきており,また,多くの論文や資料がインターネットを通して手に入るようになってきている.個人の研究業績として,査読なしの研究会発表は評価に含めない大学が増えている.よって,研究会の技術研究報告に論文を掲載し,研究会で口頭発表を行うということの価値が下がってきており,今後ますますその傾向は強まると予想される.そのような時代に研究会がどのようなサービスをコミュニティに提供できるかが問われるであろう.従来どおりの技術研究報告に論文を掲載し研究会で口頭発表を行うというスタイルにこだわらず,様々な形態のイベントを模索して行く必要がある.例えば,今年から始まったxSIG(cross-disciplinary Workshop on Computing Systems, Infrastructures, and Programming, CPSY研専協賛)では,査読は行うが,公開する論文集は作成しないという斬新な国内ワークショップであり,真剣な議論による研究のレベルアップを目指している.CPSY研専の活動というわけではないが,掲載料無料の査読付きオープン学術雑誌IJNC(International Journal of Networking and Computing)を2011年から,国際会議CANDARの特集号を含めて年2回発行しており,毎年20件程度の論文を掲載している.今後とも,時代に即して,新しい研究発表や意見交換の場を提供していく必要があるだろう.
(平成29年4月28日受付)
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