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ただいま御紹介頂きました,情報処理学会の会長を務めております西尾でございます.
このたびは,電子情報通信学会が100周年を迎えられましたこと,謹んでお慶び申し上げます.電子情報通信学会の1世紀に及ぶ輝かしい歴史,また,その間,一貫して電子,通信,及び情報分野に関する学問,技術の進歩発展と普及啓発に多大なる貢献をされてこられましたことに,改めて深甚なる敬意を表します.
電子情報通信学会と情報処理学会との関係は,お互いに関連する学問・技術分野が多岐にわたることもあり,長年にわたって様々なレベルでの協力,協調関係を築いてまいりました.両学会共催による国際会議も多数開催してきており,また,研究会レベルにおいても,毎年数多くの研究発表会やシンポジウムを共同で開催しております.
特に,平成13年3月には,当時の電子情報通信学会・青木利晴会長,情報・システムソサイエティ・釜江尚彦会長,そして情報処理学会・長尾真会長との間で覚書が締結されております.その目的は,関連する学問・技術分野の拡大と構造的な変化などに対処し,関連分野の発展を加速するなど両学会間の包括的な協力関係を強力に推進することでした.昨日まで東京大学で開催されておりました,今年で16回目を迎えるFIT(情報科学技術フォーラム)も,この覚書に基づくものであります.これらは,貴学会との長い歴史の間で築き上げてきた協力関係のほんの一端ではございますが,このような形で貴学会とともに関連分野の発展,進歩のために歩み続けてこられたことは,情報処理学会にとって貴重な財産であります.
我が国の第5期科学技術基本計画では,IoT(Internet of Things),人工知能(AI)技術,ビッグデータ解析など情報処理技術を駆使した「超スマート社会(Society 5.0)」の実現を目指しています.正に,両学会の活動が社会全体にとって極めて重要になり,その潜在力を生かす絶好機が到来していると言えます.また,18歳人口,労働力人口が減少の一途をたどる中,将来を担う若い世代たちに,電子情報通信分野,情報処理分野の魅力を伝えていくことも,我々の重要な使命と考えています.これまで築き上げてきた両学会の協力関係を今後も大切に,そしてより強固にし,社会・学術の発展に互いに寄与していくことができればと願っております.
なお,私事で恐縮ですが,私自身にとっても電子情報通信学会は,研究者として育てて頂きました,家族関係で言えば,正に「実家」とも言える大切な学会です.大学院生になって初めて学術論文を世に出すことができましたのは,当時は,電子通信学会でしたが,その論文誌「D分冊」からでした.そのような経緯もあり,こうして祝辞を述べさせて頂く機会を頂戴しましたことは大変名誉なことであり,心より御礼を申し上げます.
最後に,改めて電子情報通信学会が次の100年に向けて更なる御活躍,御発展をなさいますことを祈念致しまして,私のお祝いの言葉と致します.本日は誠におめでとうございました.
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