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ネットワークセキュリティの最新動向
3.ネットワークセキュリティの技術動向
小特集 3-2
バックボーンネットワークにおけるセキュリティの現状と対策
DDoS Attacks Today and Protection at Backbone Network
abstract
近年,国内外においてDDoS攻撃が規模,攻撃数共に増加傾向にある.その原因の一つに,DDoS攻撃代行サービス等の存在があると考えられ,攻撃の簡単さと,引き起こす被害の大きさが深刻な問題になっている.しかし,DDoS攻撃は100Gbit/s以上の規模のトラヒックが発生することもあり,ネットワークの上流に位置するプロバイダ側の対策は必須となる.本稿では,DDoS攻撃の仕組みや手法に関して説明し,攻撃への対策として国内最大規模のインターネットバックボーン設備を持つNTTコミュニケーションズでの取組みを紹介し,最後にDDoS攻撃への対応事例を説明する.
キーワード:サイバー攻撃,DDoS,DNSアンプ,Slow HTTP DoS
近年,DDoS(Distributed Denial of Service)攻撃が増加傾向にあり,昨年は450件程度と,200件程度であった一昨年の2倍以上のDDoS攻撃が観測され,国内外の複数の機関がその被害に遭った(1).また,ネットワークに接続されたIoT(Internet of Things)機器を悪用したDDoS攻撃が観測されており,今後もこのような攻撃が増加することが考えられる.更に,10Gbit/sを超える通信量の攻撃が全体の20%以上にまで増加するなど,DDoS攻撃の規模が年々増加しており(2),図1のとおりネットワークを介したサイバー攻撃のうち,DDoS攻撃が最も多いという調査結果もある(3).
その理由として考えられるのが,DDoS攻撃代行業者等の存在であり,サービスを利用することで,安価に,かつ簡単に攻撃を行うことができるためである(3).あるサービスでは,5ドルから攻撃可能で,金額によって,長時間,大量のトラヒックを発生させることも可能である(4).2014年には,国内の高校生がオンラインゲームのアカウントを凍結されたことを不服とし,海外のDDoS代行サービスを利用しゲーム事業者に対してDDoS攻撃を仕掛け,書類送検された(5).これは,国内初のDDoS攻撃者の立件事例として話題となった.
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