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解説
LPWA(Low Power Wide Area)の規格と技術動向
The Trend for LPWA Specification
abstract
IoT向けの無線技術LPWAが国内外で急速に普及している.従来の無線通信は,IoTで必要とされる長距離かつ低消費電力の要件を十分に満たしていなかったが,LPWAの規格はこれらの要件を満たしている.今回,代表的なLPWAの規格として,LTEベースの規格,LoRaWAN,SIGFOXの3種類の技術的特徴を紹介する.IoTのサービスは多岐にわたるため,現状では各LPWAの規格を想定するユースケースで利用して問題ないか,実証実験などを通じて個別で検証されている.このため,LPWAの各規格の技術的特徴を踏まえ,それぞれがどのようなユースケースに適しているか紹介する.
キーワード:IoT(Internet of Things),低消費電力,広域無線,LoRaWAN,SIGFOX
近年,IoT向けの無線技術LPWAが急速に普及している(1).IoTでは,セルラと同等かそれ以上の距離をカバーしつつ,電池だけで数年間動作し続けることが求められる.従来の無線通信の規格は長距離かつ低消費電力の要件を十分に満たしていなかったが,LPWAの規格はこれらの要件を満たす(2).このLPWAの規格には複数の種類があり,技術的な特徴が異なることから,適しているユースケースが異なる.今回,代表的なLPWAの規格として,以下に示す3種類を挙げ,技術的特徴と,どのようなユースケースが適しているか示す.
① LTEベースの規格(2.)
② LoRaWAN(3.)
③ SIGFOX(4.)
3GPPでは,LTEの性能に応じてカテゴリー分けしている.IoTのサービス向けに,LTEのCat. 1の規格が既に商用で導入されているが,電池交換なしで数年間動作させるのは難しい.従来のLTEはスマートフォンなどの利用を想定しているため,基地局と位置登録などの通信を頻繁に行っており,IoT向けとしてはデバイスの消費電力が大きいことが原因だった.このため,3GPPでは,LTE基地局のソフトウェアアップデートにより,長距離かつ低消費電力というIoTの要件を十分に満たすべく,3GPPのRel. 13でIoT向けにCat. M1とCat. NB1の規格が2016年に策定された.国内外でこの二つの規格を使った実証実験が行われており,2017年から各国で商用サービスが始まる見通しである.2.1ではLTEをベースとしたLPWA規格の技術的特徴についてまとめ,2.2で適しているユースケースを記載する.
従来のLTE規格Cat. 1と,IoT向けに新たに策定されたCat. M1及びCat. NB1について表1にまとめた.
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