小特集 3-2 非GNSS環境で高精度自動飛行するUAV

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ドローンがもたらす新しい世界 3. ドローンの活用事例

小特集 3-2

非GNSS環境で高精度自動飛行するUAV

Precise Autonomous Flight of UAV under the Non-GNSS

加藤直也

加藤直也 (株)デンソー新事業統括部

Naoya KATO, Nonmember (New Business Unit, DENSO Corporation, Kariya-shi, 448-8661 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.101 No.12 pp.1177-1180 2018年12月

©電子情報通信学会2018

1.緒     言

 UAV(Unmanned Aerial Vehicle)の自動飛行は,一般的に衛星からの測位データやSLAMに代表される周辺環境情報を用いた自己位置推定を基に移動制御を行う.筆者らがターゲットとする橋梁点検は,直上や直近に床板や橋脚があり,直下はうっそうとした草地や水面など季節的にも短期的にも状況が変化する.このため衛星測位の精度は悪く,周辺環境情報を用いた自己位置推定の信頼性も低下する.また風が強く流れも複雑である.橋梁に近接する自動飛行では,このような環境下でも高い精度で自己位置推定を行い,航路を維持する制御が必要である.

 筆者らは,上記課題を解決するため,非GNSS環境で精度の高い自己位置推定手法と,外乱に対する制御応答が速いUAVを組み合わせることで,高精度に自動飛行が可能なシステムを開発した.

2.可変ピッチ構を採用したUAV

 開発した機体(図1)は,各翼に可変ピッチプロペラ機構を採用している(1).可変ピッチは推力可変制御の応答速度が非常に高速という特徴を持っており,その推力可変性能は回転数や翼の大きさによるが,開発機に採用した15~18インチの翼で回転数制御に対し最大15倍程度速い.このため位置推定の精度が高ければ,風による外乱が強くとも,航路から大きく流される前に姿勢・移動制御が可能である.その結果,あらかじめ計画した航路に対して高精度に飛行することができる.

図1 機体(開発コードXDC02)

3.非GNSS環境における自己位置推定と自動飛行


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