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昨今の情報通信技術の発達は目覚ましく,これまでになく,人々の生活,各種産業への関わりを増しています.電子情報通信学会はこの発達を支えてきましたが,今後はこの伝統を引き継ぐとともに,多様化するニーズに応えていくことが望まれると思います.
本会の活動を海外学会,例えばIEEEと比べると,会員個々の専門分野に対応する学会活動は充実していますが,会員のライフステージに対応する学会活動はそれほどでもないように思います.若手の活動の重要性は本会でも十分認識されていて,学生ブランチは活発に活動していますが,大学卒業後の若手技術者,女性技術者のグループ活動はほどほどで,また歳を重ねた会員のためのコミュニティもこれまではありませんでした.
歳を重ねそれまでの仕事に変化が出てきた人々が,仕事での学会活動の必要性が低くなったからといって,学会を辞めてしまうのはもったいないと思います.会社や大学のために我を忘れて働き続けてきた壮年期の忙しさが一段落し,自分のために使える時間が少しは取れるようになった,そんなときこそ学会の場を利用して楽しめるとよいと思っております.
歳を重ねた会員に適した活動の候補はいろいろありますが,海外学会の例や本会名誉員の方々から頂いた御意見に基づくと以下のようなものが考えられます.
・知的好奇心を満たす
常に最新の技術の情報を得たい,前から気になっていた知的関心を満たしたい,昔携った技術を整理して残したいというのは技術者・研究者の重要な特質です.技術講演会,見学会,交流会,意見交換会等の開催・共催により,他者からあるいは会員相互に研さんを積むことができます.通常の技術分野に加え,電子情報通信技術史の調査・記録等も含まれます.
・後継者を支援する
これまでの経験や知識を生かして後継の研究者・技術者を支援することは重要でやりがいのあることです.後継者は学生・若手技術者はもちろんのこと,大学入学前の中高生・小学生,中堅以上の技術者・研究者も含まれます.学生に対しては就職面接や初期キャリアノウハウの助言,論文コンテストの審査員,学生ブランチ生成支援,若手技術者に対してはメンターとしての支援,中高生・小学生に対しては,子供の科学教室,学校クラブ活動の支援,科学フェアの審査員等があります.また,規程に従って資格を持つ方には,中堅会員の本会シニア会員申請のアドバイス,申請時の推薦者に積極的になって頂く,更に,ベテラン会員の本会フェローの推薦者に積極的になって頂く等の支援があります.
上記2項目はオーバラップする部分もあり,またこのほかにもいろいろな候補があります.
これらは私の個人的意見であり,今のところ本会でこのような活動に応える仕組みができているわけではありませんが,今後充実されるとよいと思っております.できれば歳を重ねた会員の活動の場があればよいと思っており,IEICEプラチナクラブ(仮称)という名前も考えております.御意見や御希望があればお寄せ下さい.
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