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折り紙の科学
小特集 1.
計算折り紙について
Computational Origami
計算折り紙(Computational Origami)という用語は,1990年代に生まれた.最初にこの用語を使い出したのは,現在はMITの教授であるDemaine氏である.彼は弱冠20歳にしてカナダで博士号を取り,そのままMITの教員になったいわゆる天才であるが,彼の博士論文のテーマは,この計算折り紙であった.その後,現在に至るまで,彼の研究グループは,北米でこの分野を強力にけん引している.彼の活動範囲は,レクリエーション数学から果てはアートに至るまで,驚くほどの幅広さを持っているが,計算折り紙という研究分野そのものは,理論計算機科学,特に計算幾何学の一部と目される.そんな中心人物Demaine氏がO’Rourke氏と計算折り紙に関する幅広い結果をまとめた文献が2007年に出版された(1).
この本は500ページを超えるフルカラーの本で,計算折り紙のバイブル的な文献である.同書の範囲がそのまま計算折り紙であると言ってよいだろう.具体的には,次のような3部構成になっている.
一次元の線分を折るというモデルである.例えばたん白質の折り問題やロボットアームなど,細長い棒状のものがジョイントでつながれたような構造が研究対象である.日本人には「折り紙」には見えないが,一次元のOrigamiと考えられている.
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