Vol.103 No.3 (2020/3) 目次へ
学生/教養のページ
学生がいきいき学び考える電磁気学[Ⅲ・完]
――電磁気学教育の現状・問題・将来――
Electromagnetics Education[Ⅲ・Finish]: How Can We Realize Deep Understanding at Universities and Colleges
平山浩一 後藤啓次 久門尚史 青木学聡
木村真之 蛯原義雄 下田 宏 廣瀬 明
平山浩一 正員 北見工業大学情報通信系
後藤啓次 正員 防衛大学校電気情報学群通信工学科
久門尚史 正員 京都大学大学院工学研究科電気工学専攻
青木学聡 京都大学情報環境機構
木村真之 正員 京都大学国際高等教育院
蛯原義雄 九州大学システム情報科学研究院
下田 宏 京都大学大学院エネルギー科学研究科エネルギー社会・環境科学専攻
廣瀬 明 正員:フェロー 東京大学大学院工学系研究科電気系工学専攻
Koichi HIRAYAMA, Member (Division of Information and Communication Engineering, Kitami Institute of Technology, Kitami-shi, 090-8507 Japan), Keiji GOTO, Member (School of Electrical and Computer Engineering, National Defense Academy, Yokosuka-shi, 239-8686 Japan), Takashi HISAKADO, Member (Graduate School of Engineering, Kyoto University, Kyoto-shi, 615-8510 Japan), Takaaki AOKI, Nonmember (Institute for Information Management and Communication, Kyoto University, Kyoto-shi, 606-8501 Japan), Masayuki KIMURA, Member (Institute for Liberal Arts and Sciences, Kyoto University, Kyoto-shi, 606-8315 Japan), Yoshio EBIHARA, Nonmember (Graduate School of Information Science and Electrical Engineering, Kyushu University, Fukuoka-shi, 819-0395 Japan), Hiroshi SHIMODA, Nonmember (Graduate School of Energy Science, Kyoto University, Kyoto-shi, 606-8501 Japan), and Akira HIROSE, Fellow (Graduate School of Engineering, The University of Tokyo, Tokyo, 113-8656 Japan).
電子情報通信学会誌 Vol.103 No.3 pp.334-337 2020年3月
©電子情報通信学会2020
1.は じ め に
本連載では実際に電磁気学に関する科目を担当されている教員の方に,電磁気学教育に関する教授内容や教授方法の工夫などを御紹介頂いている.今回が最終回であり,電磁気学演習,電磁現象に触れることを目指した電気電子回路演習,大学院における電磁気学講義を御紹介頂く.
(分担執筆:平山浩一)
2.スクリーンと黒板を併用した電磁気学演習教育の取組み
2.1 はじめに
防衛大学校通信工学科の電磁気学演習は,本科(一般大学の学部に相当)2学年後期で学ぶ基礎科目に分類されている(1).かねてより筆者は電磁気学演習の教育現場において,法則や公式の復習,良質な演習問題の選定,演習問題の解説や問題数の配分に苦心してきた.また,学生の受講意欲を持続させる必要性も感じていた.
本章では,筆者が担当する電磁気学演習教育の取組みの現状について紹介する(2).