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――サブテラヘルツ領域で動作する電子1個の量子的な挙動が明らかに――
日本電信電話株式会社(NTT)は,シリコントランジスタ中における電子の量子力学的な性質を利用することで,サブテラヘルツの周波数で電子1個を超高速に往復させ,その時間依存性を測定することに成功した.今回の成果は,量子的現象の検出速度向上を意味し,超高速駆動が可能な量子ビットの読出しや高感度電磁界センサなど,電子1個の量子的な性質に着目した応用が期待される.
これまで同社では,シリコントランジスタを利用した単電子転送素子の研究を進め,電流の物差しに対応する電流標準への応用を目指した高精度電流の生成を報告してきた.これは,電子の古典性(粒子性)に着目した結果である.一方で,電子の量子性(波動性)に着目すると,単電子転送素子内部の電子波束は量子力学的にコヒーレントに振動すると予測される.この素子ではコヒーレント振動が100GHzを超える超高速なものとなるため,超高速駆動が可能な量子ビットなどにつながる可能性があるが,最先端技術でも測定帯域が足りず,その観測自体が難しかった.
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