編集室

　＊　本号の小特集では，「宇宙通信新時代の幕開け」をお送りいたしました．少し前の話題となりますが，米国スペースX社の宇宙船が国際宇宙ステーション（ISS）とドッキングしたというニュースが報道されていました．筆者が子供の頃は宇宙船というと米国やソ連など一部の大国が打ち上げるものという感じでしたが，一民間企業の宇宙船がISSと接続するというニュースを聞いて隔世の感があります．

　＊　NASAやJAXAなどの国家主導での宇宙開発事業をOld Spaceと呼ぶそうです．最近はスペースX社に代表される民間主体のNew Spaceによる宇宙開発が急速に進展しています．民間の参入により，ロケットの打上げコストが劇的に低下しており，宇宙通信や衛星を活用した計測など利活用の場面が広がっています．本小特集では，宇宙エレベータや5Gサービスとの連携など最近の宇宙通信の広がりを解説しています．興味深い記事を掲載していますので，是非御一読頂ければと思います．

　＊　さて，私事で恐縮ですが本会誌の編集に携わるようになって1年が経過しました．執筆時点では緊急事態宣言の期間がちょうど終了し，感染拡大にケアしながら元の生活を徐々に取り戻しつつあるという状況です．私も緊急事態宣言期間中は在宅で会社や学会の業務の対応をしていました．読者の皆様が本誌を読まれるころにはもう少し状況が落ち着いて，「アフターコロナ」の新たな時代に向けて進んでいるのではないかと思います．コロナ禍以降，数か月在宅勤務を続けてみて，人と人との遠隔のコミュニケーションやテレワークにおけるICT環境等にまだまだ課題があることを実感しました．本会誌でもアフターコロナの時代の安心安全な社会の実現に向けて，様々な社会的課題の解決に有益な情報を積極的に提供していきたいと思いますので引き続きよろしくお願いします．

（編集特別幹事　宮村　崇）