巻頭言 研究者同士の議論・連携の活性化に向けて

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Vol.104 No.8 (2021/8) 目次へ

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巻頭言

研究者同士の議論・連携の活性化に向けて Toward Activation of Discussions and Collaboration between Researchers総務理事 寺田 純

 この巻頭言が掲載される頃には少し前の話となりますが,6月3日に電子情報通信学会の定時社員総会が開催され,2021年度の体制がスタートしました.石田新会長は,就任の挨拶の中で,電子情報通信学会の置かれている厳しい状況やコロナ禍での取組みなどを紹介された上,多角的な視点からの分析と提案をされました.詳しくは,会誌7月号に会長就任あいさつが掲載されておりますので,まだ読まれていない方は,是非御覧下さい.

 本稿を執筆している現在,東京は3回目の緊急事態宣言が発令中で,感染は収束しつつありますが,オリンピックが開催されたときの影響がどれほど出るのか,心配な状況です.思い返せば,2020年2月,3月頃から私たちの生活にも影響が出始めました.在宅勤務を今まで以上に活用する企業も増え,学校もオンラインでの授業が行われるようになり,多くの方のライフスタイル,ワークスタイルが大きく変わりました.電子情報通信学会も,総合大会は現地での開催はなくなり,幾つかのセッションでのオンライン開催を除いて,講演は中止されました.そのときから,本会としてのコロナ対策が始まりました.Webinarの立ち上げや,各研専も研究会のオンライン開催,現地とオンラインのハイブリッド開催等に尽力され,学会としても先進的な取組みへの支援などを行ってきました.私が委員長を仰せつかっている研究専門委員会でも,幹事団の方々の努力によって,研究会のオンライン開催に加えて,ハイブリッド開催などを行ってきました.出張しなくても,研究会に参加できるようになるなど,ICTを駆使することで,本会活動もコロナ禍でも運営できるようになってきました.研究会も,オンラインでの参加が可能になったことで,今までの現地のみでの開催よりも参加者が増える状況にもなっています.

 しかしながら,現地開催には現地開催の良さがあります.私自身の経験でも,研究会や大会は,自身の研究成果を発表する場だけではなく,その場に参加する研究者の方々と知り合い,議論をして(くだらない話をしている時間も多かったですが),多くの示唆を与えてくれました.そこでの議論が研究の方向性に影響を与えた場合もありました.新しい研究テーマを知り,その研究動向を知ることもでき,俯瞰して技術群を見ることができました.学会は,人脈を作り,自身の仕事へのフィードバックもしてくれる,ありがたい場でした.これが,オンラインだけではなかなかできないのではないかと感じています.私を含めて,学会に長くお世話になり,コミュニティの中である程度の人脈を形成している方の場合は,現在のオンラインのスタイルでも十分に学会を活用することができると思います.しかし,次の世代を担う若い方々が,学会のコミュニティに加わり,人脈を形成し,大いに議論するには,現在のオンライン環境だけでは十分ではないと感じています.

 本会としては,EventInというポスターセッションも可能なツールの本格的な活用を始めました.このような取組みによって議論の活性化につながっていければと思います.緊急事態宣言が解除され,現地開催が可能になれば,ハイブリッドでの研究会が多く開催され,そのやり方も進歩していくことと思います.MIKAやRISINGなど,研専横断的な議論を活発化する活動も生まれています.更には.現在,電気・情報関連学会の関係を強化しつつありますが,心理学や社会学などとの連携も必要となるかもしれません.

 今まで構築してきたコミュニティの維持・継続や,次代を担う若手研究者の参画・活躍,他分野との連携など,活発な議論をしやすい環境を皆様とともに構築していければと思っています.


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