1．は　じ　め　に

　金沢工業大学は，石川県野々市市に本部を置く理工系総合大学です．キャンパスは野々市市を中心に，金沢市，白山市に広がっています．学生数は約6,700人で全国47都道府県から集い，日々切磋琢磨しています．金沢工業大学では，大学院生には積極的な学会発表が奨励されています．このための修学奨励金制度も整備されており，国内外の学会参加や論文誌投稿も支援されています．このような背景の下，学生同士競い合い学会活動や企業等の共同研究といった学外活動に取り組んでいます．

　金沢工業大学では，大学院組織は，大学の付属研究所に対応付けられており，大学院生になると，その研究所の研究員を兼ねることになります．実際は，大学院進学が決まった4年生も“見習い”として加わります．本大学が積極的な学会発表を実現できているゆえんは，ここにあると思っています．

　本稿では，このような金沢工業大学の中で，大学院工学研究科電気電子工学専攻におけるICT分野の研究活動について紹介します．電気電子工学専攻は，約100名が在籍しており，工学部電気電子工学科の約20%強が進学しています．この中の30%がICT関連分野の研究に携わっており，電気・光・エネルギー応用研究センター（通称EOE）に属しています．

　研究分野は，アンテナ，無線電力伝送，ネットワーク，音響，認知科学と多岐にわたり，8人の教員の下，日夜研究活動に従事しています．学会発表・論文投稿は，学生・教員共同で切磋琢磨しアイデアを創出し，多くの成果を出しています．具体的には，2019年度から2021年度の3年間で論文誌，国際会議，国内学会など合計301件の掲載及び発表をしています．

　本稿では，以下に，各研究室の活動紹介，最近のトピックス及び今後の活動予定について紹介します．御一読頂き，興味を持って頂ければ是非金沢工業大学にお立ち寄り下さい．読者の方々の来学を心からお待ちしております．では，詳しい今後の活動予定のコーナへいってらっしゃいませ．なお，各パートの執筆学生には来春の進学予定者を含んでいます．

（光内雅己　工学研究科電気電子工学専攻） 

2．研究領域マップ

　工学研究科電気電子工学専攻における研究領域マップを図1に示します．8研究室が，特徴ある研究を行っています．

（光内雅己　工学研究科電気電子工学専攻） 

3．研 究 室 紹 介