特集 9. 量子コンピュータ時代の高機能暗号

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Vol.106 No.11 (2023/11) 目次へ

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耐量子計算機暗号の最新動向

特集

     9.

量子コンピュータ時代の高機能暗号

Advanced Cryptography Secure against Quantum Computers

四方順司 佐藤慎悟 ジョ ヒョンロク 冨田斗威

区切り

四方順司 正員 横浜国立大学大学院環境情報研究院

佐藤慎悟 正員 横浜国立大学先端科学高等研究院

ジョ ヒョンロク 正員 横浜国立大学先端科学高等研究院

冨田斗威 横浜国立大学先端科学高等研究院

Junji SHIKATA, Member (Graduate School of Environment and Information Sciences, Yokohama National University, Yokohama-shi, 240-8501 Japan), Shingo SATO, Jo Hyungrok, Members, and Toi TOMITA, Nonmember (Institute of Advanced Sciences, Yokohama National University, Yokohama-shi, 240-8501 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.106 No.11 pp.1010-1014 2023年11月

©電子情報通信学会2023

abstract

 我が国では,Society5.0を掲げて,サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムによって開かれる未来社会を目指しており,その実現には多様で高度化された次世代技術が必要である.高機能暗号は,公開鍵暗号やディジタル署名といった暗号基礎技術を更に高度化・高機能化した技術のことを指し,今後のSociety5.0が目指す未来社会だけでなく,クラウド,IoT,AI等が利活用されている現在の社会においても有用な暗号技術である.本稿では,量子コンピュータ時代における高機能暗号の利活用を想定して,耐量子計算機暗号技術を基盤とする高機能暗号の研究動向について解説する.

キーワード:高機能暗号,量子コンピュータ,耐量子計算機暗号(PQC),Society5.0

1.は じ め に

 我が国では,Society5.0を掲げて,サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムによって開かれる未来社会を目指しており,その実現には多様で高度化された次世代技術が必要である.一方,昨今のサイバー攻撃の動向からも分かるように,高度化する情報社会のネットワークを形成するシステムや,そこで扱うデータに対して,セキュリティの確保,プライバシーの保護は重要である.高機能暗号は,公開鍵暗号やディジタル署名といった暗号基礎技術を更に高度化・高機能化した技術のことを指し,今後のSociety5.0が目指す未来社会だけでなく,クラウド,IoT,AI等が利活用されている現在の社会においても有用な暗号技術である.本稿では,量子コンピュータ時代における高機能暗号の利活用を想定して,耐量子計算機暗号(PQC: Post-Quantum Cryptography)技術を基盤とする高機能暗号の研究動向について解説する.


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