編集室

　＊　私事ですが，先日久しぶりに海外出張に行きました．その日本に帰国する際のお話でございます．御存じかと思いますが，日本に入国するにあたり，「出国前検査証明」または「ワクチン接種証明書」，「質問票」の提出が必要となります（2022年12月時点）．その各手続を事前に行うことができるWebサービス「Visit Japan Web」が2022年11月から利用可能になりました．事前に情報を投入することでQRコードが発行され，そのQRコードをシステムにかざすだけで入国処理が完了します．コロナ禍において，事前に本システムから必要情報を入力しておくことで，極力人との接触が避けられ，スムーズに入国処理ができる画期的なシステムというわけです．しかし，事前の入力ミスやユーザ操作の不慣れにより，なかなかスムーズな入国とはいかないケースもあるようです．実際，私が入国する際も，10分近い待ちが発生しており，サポートする方が（そのときたまたまかもしれませんが）1名で対応されており，QRコードを読み取る機器が10台近くあり，その前で悪戦苦闘しているユーザのフォローを引っ切りなしにされていました．一方で，これまでどおりの紙による窓口も開いており，こちらは全く人も並んでおらず，紙媒体経由での感染リスクはあるかとは思いますが従来どおりの手順であり，提供者側も利用者側も手順を十分把握しており，待ち行列も発生せず，すんなり処理が進んでいました．システムや技術は使われて鍛えられていくものだと理解はしてはいますが，改めて，ユーザ理解を得ながら新システムに対応していく難しさを肌で感じました．

　＊　本5月号特集では「非地上系ネットワークの将来」と題し，“海・空・宇宙“といったあらゆる空間での通信が可能となる技術について，昨今の技術トレンドや今後の方向性について解説しています．これから今までにはない，新しい形態の通信システムの研究開発が進んでいき社会を変革させていきます．技術を提供する側と利用する側でお互い理解しながら技術を鍛えて発展していけたらと思います．