小特集 Beyond 5Gを支えるフォトニクス技術とその展望 小特集編集にあたって

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Vol.106 No.6 (2023/6) 目次へ

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小特集

Beyond 5Gを支えるフォトニクス技術とその展望

小特集編集にあたって

編集チームリーダー 開 達郎

 スマートフォンの普及や近年のコロナ禍がもたらしたライフスタイルの変化により,我々の生活における通信の役割は一層重要なものとなっている.今後も通信インフラの利用シーンは多様化することが予想されるが,一方で国内の通信トラヒックは右肩上がりで急増しており,通信インフラの持続的な発展を支えていくことが重要な社会課題となっている.

 我が国では総務省が策定した「Beyond 5G推進戦略」に基づき,今後の社会や産業の基盤となる次世代通信インフラ(Beyond 5G)の実現を目指している.Beyond 5Gの特長は,従来の5Gの機能の高度化(超高速・大容量,超低遅延,超多数同時接続)に加え,自律性,拡張性,超安全・信頼性,超低消費電力などの機能を有する点である.これらの要求を満たすためには,無線通信網のみならず,光通信網,データセンター,ICT端末などを含む情報通信システム全体の高度化が必要となる.そこで,これまで無線通信の発展を支えてきたエレクトロニクス技術に加え,大容量光伝送や光電融合の進展を支えるフォトニクス技術が今後重要な役割を果たすと期待されている.

 本小特集では,Beyond 5Gの実現に向けてフォトニクス技術の貢献が期待される技術領域に注目し,システムのアーキテクチャからデバイス技術にわたる最新動向を解説する.また,それらの実用化に向けた課題や今後の期待などの将来展望について議論する.

 第1章では,モバイルフロントホールにおけるRadio over Fiber(RoF)技術を御解説頂く.KDDI総合研究所の猪原涼氏から複数の無線信号をIF帯で周波数多重した上でアナログRoF伝送を行うアナログIFoF方式について御解説頂き,同技術の省電力化への期待など今後の展望について述べて頂く.

 第2章では,大容量化が容易なディジタルコヒーレント多値伝送技術をモバイルフロントホールへ適用するアプローチを御解説頂く.東北大学の葛西恵介氏らから送信用光源と局発光源を1台のレーザに担わせ,簡便な構成で大容量伝送を実現する光注入同期技術を御解説頂くとともに,上記技術とFPGAリアルタイム送受信回路を用いた双方向伝送を御紹介頂く.

 第3章では,広帯域テラヘルツ無線に向けたフォトニクス技術を御解説頂く.大阪大学の永妻忠夫氏から無線周波数の選択について電波伝搬と電波行政の観点から御解説頂くとともに,フォトニクス技術を用いたテラヘルツ無線送受信システムの実現例について御紹介頂く.

 第4章では,大容量化,低消費電力化が要求される光トランシーバの最新の作製技術について御解説頂く.住友電気工業株式会社の八木英樹氏らからレーザなどの作製に用いられてきたⅢ-V族化合物半導体とシリコンフォトニクスのそれぞれの利点を組み合わせた異種材料集積技術について御解説頂く.

 第5章では,光トランシーバのキー部品である半導体レーザの低消費電力化,高速化技術について御解説頂く.日本電信電話株式会社の松尾慎治氏らから低消費電力な直接変調メンブレンレーザの特長を御解説頂くとともに,光フィードバックや高放熱シリコンカーバイド基板を用いた高速化技術を御紹介頂く.

 最後に御多忙な中執筆に御協力頂いた著者の皆様に深く感謝致します.また,本小特集の提案・調整などを御協力頂いた編集チームの皆様にはこの場を借りまして感謝申し上げます.

小特集編集チーム

 開  達郎  伊藤 友樹  梅沢 俊匡  板谷 太郎  大寺 康夫  藤澤  剛 


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