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Vol.106 No.6 (2023/6) 目次へ

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通信ソサイエティの国際化戦略:英文論文誌のIEEE Xplore掲載から次の国際化ステージへ

2023年度通信ソサイエティ会長 笠原正治

は じ め に

 通信ソサイエティ(以下,通ソ)では,通ソ英文論文誌(以下EB)及び英文レター誌Communications Express(以下ComEX)をIEEE Xplore上でオープンアクセス掲載致します.論文掲載プラットホーム変更の経緯と今後の展開について簡単に御紹介致します.

英文論文誌の価値向上に向けた通ソの取組み

 IEEE Xplore掲載に至る背景には,通ソ英文論文誌のインパクトファクター(以下IF)向上の取組みがあります.IF向上の取組みは2009年にEB編集委員会のワーキングとして「インパクトファクター向上WG」が設置されたところから始まります.ここで取りまとめられた報告書の中で,オンラインレター誌の設立,新カテゴリーの新設,論文誌のオープンアクセス化が具体的な施策として提言されました.この提言を受け,2012年6月にオンラインレター誌としてComEXを創刊し,2015年10月にはEBの新カテゴリーとしてポジションペーパーを創設致しました.これ以外にも,EB編集委員会ではIF向上に向けて査読期間の短縮化や早期公開,招待サーベイ論文の掲載料補助・オープンアクセス化,海外編集委員の増強など多岐にわたる施策を行ってきました.

 しかしながら,これらの施策にもかかわらず,EBのIFは大きく向上せず,ComEXはIFがつかない状況が続いていました.オープンアクセス化については,2021年に本会の論文誌編集委員会が横断的に情報を共有する編集連絡会におきまして,対応方針をソサイエティごとに検討する依頼がありました.これを受ける形で通ソ編集会議では,どの論文掲載プラットホームであればEB・ComEX掲載論文が多く読んでもらえるか,慎重に情報の収集とデータの分析を行い,IEEE Xploreが論文掲載プラットホームとして最適であるという結論に至りました.その後は編集会議のメンバーでIEEE側と交渉を積み重ねながら,関係する規程類の改定やスケジュールの調整を行い,サービス委員会・理事会の承認を経て,EB・ComEXをIEEE Xploreに掲載する運びとなった次第です.山里敬也前編集長,太郎丸眞編集長をはじめとする関係された皆様の多大なる御尽力に対し,心から感謝申し上げます.

更なる国際化に向けて

 通ソでは今後の活動目標として,世界中の研究者が投稿して広く読んでもらえる論文誌のグローバル化と,国境を越えて人脈を形成できるような研究会・国際会議のグローバル化,の二本を柱としたソサイエティ全体のグローバル化を打ち出しています.今回のIEEE Xplore上でのEB・ComEX論文オープンアクセス公開により,掲載論文のサイテーションが大幅に改善され,IF向上,更には投稿数増加のポジティブループを期待しておりますが,これは通ソ国際化に向けた最初の一歩にすぎません.これを契機に研究会の海外開催やフラグシップ国際会議ICETCの更なる海外展開を進め,国内外の研究者が多層的に交流できる魅力的なソサイエティに向けてまい進していく所存です.皆様の御理解と御協力を賜れますよう,何卒よろしくお願い申し上げます.


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