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Vol.106 No.6 (2023/6) 目次へ

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 * 2001年にWikipediaが発足して以降,世界中の大学で,課題のレポート作成にWikipediaを参考にするのは良くないと言われ始め,それはいまだに続いているように思います.個人的には,確かにWikipediaのページを参考文献として挙げるのは問題だと思います.それは,Wikipediaの情報にはソースが明示されているため,必要ならそちらを参照すべきだからです.Wikipediaのページを文献として挙げてしまうと,いわゆる孫引きの状態になってしまいます.ただし,参考にするのもだめか? と聞かれれば,情報の真偽を確認することを忘れなければ,全く問題ないと思っています.私自身,自分の知らないことを検索したときに,Wikipediaのページがヒットすれば,普通に読みますし,参考になることもあります.

 * そして今,Wikipediaをはるかに上回る論争がChatGPTに対して始まっています.昨年11月末のサービス開始後,僅か2か月足らずで1億人のユーザを獲得したChatGPTは,確かに特定の業種の人々を脅かすほどのインパクトがあります.新年度に入って,多くの大学がChatGPTを利用することについての指針や声明を出しました.Wikipediaだけの頃は,単に調べたものをまとめれば終わるような課題を課す方が悪いと思っていましたが,さすがに指定した言語でのプログラミングまでやってくれるとなれば,教育に対する考え方そのものを大きく変える必要がありそうです.著作権の問題もクリアになっていません.ただ,それでもなお,個人的にはそういうツールがあるならば,正しく活用させればいいと思っています.正しい使い道を示すのも我々技術者の役目だと思います.

 * さて,本誌6月号の小特集ではフォトニクス技術を取り上げました.ChatGPTのようにサーバサイドでの大量の演算処理をするには,演算装置の分散化やストレージの接続に光入出力が必須です.また,多くの人が同時にストレスなくサービスを利用できるようにするには,高速・低遅延・多接続のネットワークの実現が不可欠で,そこにも光伝送が必要です.ChatGPTの論争はまだまだ続くと思いますが,その間,是非御一読頂ければ幸いです.

(編集理事 佐波孝彦) 


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