編集室

　＊　本編集室を執筆しているタイミングで，機械類が苦手な義父が5G（第5世代移動通信システム）に対応したスマートフォンに買い換えるというニュースが我が家に届きました．すると，タブレット端末を使って宿題をしていた小学生の娘が「いいなぁ」と羨ましがっていました．このとき，私は会社から貸与されているスマートフォンが5Gに対応していることを思い出すとともに，情報通信技術がいかに生活の中に浸透しているか，いかに利便性が向上しているかに改めて気づかされました．娘が通う小学校では，生徒一人一人にタブレットが貸与され，周知連絡だけでなく健康管理や勉強・宿題にも活用されています．ふと自分が小学生だった頃を思い返してみると，携帯電話を保有しておらず，今と比べると様々な制限があったように思います．そのような状況から，いつの間にかスマートフォン・タブレットがある暮らしが“当たり前”になり，場所を選ばずフリック・タップ操作で様々なことができるようになりました．この生活習慣変容の裏側では，端末自体の進化だけでなく移動通信システムの進化が大きな役割を果たしています．一技術者として，情報通信技術の持つポテンシャルを再確認するニュースにもなりました．さて，もうすぐ義父は意識せずとも5Gの恩恵を享受できるようになるわけですが，現在は5Gの次の世代であるBeyond 5G/6Gを目指した研究開発が盛んになっています．次はどんな“当たり前”が登場するのでしょうか．今は想像もつかない便利な未来がやってくることを期待したいものです．

　＊　本号の小特集では，「セルフリー通信技術の最新動向」というタイトルで移動通信システムの更なる高度化を目指した最新技術動向について御執筆頂いております．Beyond 5G/6G時代の“当たり前”を支える技術開発の展望について解説されていますので，是非御一読頂ければ幸いです．