ニュース解説 建物・設備の管理を効率化する「空間データ作成・利活用AIソリューション」――独自の光学技術とAIを活用し建物をディジタル管理――

電子情報通信学会 - IEICE会誌 試し読みサイト
Vol.107 No.3 (2024/3) 目次へ

前の記事へ次の記事へ


最近の新聞等で報道された技術情報を深める ニュース解説

◆今月のニュース解説

建物・設備の管理を効率化する「空間データ作成・利活用AIソリューション」

 ――独自の光学技術とAIを活用し建物をディジタル管理――

 Efficient Building and Facility Management through ‘Spatial Data Creation and Utilization of AI Solution’: Leveraging Unique Optical Technology and AI for Digital Building Management

Cryo-EM画像からもっともらしいたん白質構造変化を予測する生成AI技術

 ――次世代IT創薬技術実現に向けて――

 A Generative AI with Plausible Protein Conformational Pathways from Cryo-EM Images: Toward Next-generation Drug Discovery Information Technology

建物・設備の管理を効率化する「空間データ作成・利活用AIソリューション」

――独自の光学技術とAIを活用し建物をディジタル管理――

 リコーは,2023年10月から建設業や建物維持管理業向けに,空間データ作成・利活用AIソリューションの実証実験を開始した.このソリューションでは,カメラやレーザスキャナで取得した点群と360度画像を自動レジストレーションし,既存建物の設備配置や内部構造を3Dで再現する.その再現データは,タブレット端末などを通して,遠隔地の関係者と共有できるようになる.また,備品の自動分類と台帳との連携により,建物の直感的で効率的な維持管理を可能とする(図1).

図1 3D復元された機械室の例  左:点群,右:モデル.

 これまで建物や施設の維持管理の現場では,既存の図面,写真,台帳などの断片的な情報を基に,熟練者がデータ整備,分析,判断を行っていた.これらは暗黙知であるため,ノウハウや知識の継承が難しく,また現場の情報が常に不完全であることから,調査や共有の手間がかかるという課題があった.比較的新しい建築物は,BIM(Building Information Modeling)に基づいた管理が行われているが,既にある建物をBIMとして扱えるようにするには大きな労力とコストがかかっていた.

 実証実験では,点群と360度画像の撮影からデータ処理,クラウドへのアップロードした後のWeb閲覧までを,同社がワンストップで提供する.現状では,約2,500m2のオフィスビルのフロアであれば,半日以内に撮影し,2~3日後にWeb閲覧可能となるような処理が可能である.また要望に応じて,既存台帳とのひも付け,三次元CADで取り扱える建物・什器モデルの生成も行う(図2).

図2 実証実験で提供するフロー


続きを読みたい方は、以下のリンクより電子情報通信学会の学会誌の購読もしくは学会に入会登録することで読めるようになります。 また、会員になると豊富な豪華特典が付いてきます。


続きを読む(PDF)   バックナンバーを購入する    入会登録

  

電子情報通信学会 - IEICE会誌はモバイルでお読みいただけます。

電子情報通信学会誌 会誌アプリのお知らせ

電子情報通信学会 - IEICE会誌アプリをダウンロード

  Google Play で手に入れよう

本サイトでは会誌記事の一部を試し読み用として提供しています。