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◆今月のニュース解説
①建物・設備の管理を効率化する「空間データ作成・利活用AIソリューション」
――独自の光学技術とAIを活用し建物をディジタル管理――
Efficient Building and Facility Management through ‘Spatial Data Creation and Utilization of AI Solution’: Leveraging Unique Optical Technology and AI for Digital Building Management
②Cryo-EM画像からもっともらしいたん白質構造変化を予測する生成AI技術
――次世代IT創薬技術実現に向けて――
A Generative AI with Plausible Protein Conformational Pathways from Cryo-EM Images: Toward Next-generation Drug Discovery Information Technology
――独自の光学技術とAIを活用し建物をディジタル管理――
リコーは,2023年10月から建設業や建物維持管理業向けに,空間データ作成・利活用AIソリューションの実証実験を開始した.このソリューションでは,カメラやレーザスキャナで取得した点群と360度画像を自動レジストレーションし,既存建物の設備配置や内部構造を3Dで再現する.その再現データは,タブレット端末などを通して,遠隔地の関係者と共有できるようになる.また,備品の自動分類と台帳との連携により,建物の直感的で効率的な維持管理を可能とする(図1).
これまで建物や施設の維持管理の現場では,既存の図面,写真,台帳などの断片的な情報を基に,熟練者がデータ整備,分析,判断を行っていた.これらは暗黙知であるため,ノウハウや知識の継承が難しく,また現場の情報が常に不完全であることから,調査や共有の手間がかかるという課題があった.比較的新しい建築物は,BIM(Building Information Modeling)に基づいた管理が行われているが,既にある建物をBIMとして扱えるようにするには大きな労力とコストがかかっていた.
実証実験では,点群と360度画像の撮影からデータ処理,クラウドへのアップロードした後のWeb閲覧までを,同社がワンストップで提供する.現状では,約2,500m2のオフィスビルのフロアであれば,半日以内に撮影し,2~3日後にWeb閲覧可能となるような処理が可能である.また要望に応じて,既存台帳とのひも付け,三次元CADで取り扱える建物・什器モデルの生成も行う(図2).
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