ニュース解説 12コア結合形マルチコア光ファイバで7,000km以上の初の大洋横断級長距離伝送実験に成功

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Vol.107 No.8 (2024/8) 目次へ

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◆今月のニュース解説

 12コア結合形マルチコア光ファイバで7,000km以上の初の大洋横断級長距離伝送実験に成功

 First-of-its-kind Trans-oceanic Long-distance Transmission Experiment over 7,000km Using 12-core Coupled Multi-core Fiber

12コア結合形マルチコア光ファイバで7,000km以上の初の大洋横断級長距離伝送実験に成功

 日本電気株式会社(NEC)と日本電信電話株式会社(NTT)は,標準的な外径(0.125mm)の光ファイバに光信号の伝送路を12本設けた12コア結合形マルチコアファイバ(図1)を用いて,大洋横断級7,280kmの伝送実験に世界で初めて成功した.現在商用で利用されている光ファイバは光信号の伝送路が1本であるシングルコアファイバであるため,本ファイバは従来よりも伝送容量を最大で12倍拡張できるものである.

図1 シングルコアファイバと12コア結合形マルチコアファイバの断面

 光ファイバに光信号の伝送路であるコアを増加させるマルチコアファイバには,光ファイバの製造方法等を工夫して,隣接するコアから漏れる光信号を極力削減する非結合形マルチコアファイバが存在する.標準的な外形である非結合形マルチコアファイバはコア間の距離を適切に保つ必要があるため,現時点では4程度までのコア数が限界と言われ,既存の単一モードファイバと比較して最大伝送容量を原理的に4倍以上に拡張できないという課題がある.標準的な外形で更にコア数を増加させる場合,コアから漏れた光信号が隣接するコアの光信号に干渉しお互いの通信品質を劣化させる.これらの課題を解決するためにNTTは12コア結合形マルチコアファイバ設計技術を,NECは長距離伝送対応高速MIMO信号技術を開発した.


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