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2024年度事業報告書
自 2024年4月1日~至 2025年3月31日
昨今の社会情勢を振り返ると,今年度はCOVIDO-19の大混乱も過去のものとなり新たな生活様式を取り入れながら,徐々に経済社会活動を取り戻しつつある中,戦争の勃発,物価の高騰,世界各地で起こる異常気象等,我々を取り巻く社会情勢は厳しいものがある.このような状況において,アカデミックな本会の意義はますます問われており,学会というピュアな立ち位置で学術を磨き,そして諸々の社会課題を解決するイノベーションを興すことが期待されている.「変わらないもの」と「変わるもの」を考えながら,次世代に残す学会を議論し,限界打破のイノベーションにより,本会がコミュニケーションの夢とそれによって実現される豊かな未来社会に向けて挑戦し,革新的技術及びイノベーションを継続的に創出する学会として大きく飛躍することを目指し,以下の基本姿勢で活動を進めた.
1.広汎な知が交流する場を作り,新たな学術領域をひらく
2.社会課題の解決に貢献し,新たな社会のビジョンを作成する
3.技術倫理の向上に努め,社会に向けて発信する
本会の事業は,学会全体事業(以下,共通事業という),ソサイエティ及びグループ事業,支部事業の三つに大別されるが,それぞれ以下のような取組みを行った.
(1)幅広い知の融合と人材の育成,及び,会員サービス・運営の質の向上
広汎な知が交流する場を作り,新たな学術領域をひらき,会員サービスの更なる拡充を目指して,次のような施策を推進した.主な成果を以下に示す.
①広汎な知の交流
広汎な知が交流し,新たな学術領域をひらき,社会課題の解決や新たな社会のビジョンについて,議論や意見交換ができる機会作りを促進した.そのために,ウェビナーによる発信,研究会・大会等の魅力あるイベントを開催し,ホームページやメール,SNSを活用し幅広く案内,周知し,会員サービスの向上,人材育成,及び,新規会員の獲得を目指した.
②ジュニア会員制度の充実
電子,情報通信分野に若い多感な時期から興味を持ってもらい将来のリーダー育成に貢献するため,ジュニア向けHPの充実,LINEによるコラムや時季に関する情報の配信(48回),総合大会でのポスターセッションの実施,ジュニア向けWebinarを1回実施した.
③プラチナクラブの充実
主に40歳以上の会員を対象に,学会を自己実現の場に使え,人生を通した研究者・技術者としての充実感を高めるための講演会,見学会,意見交換会等の場や,経験と知識を生かした後継者支援の機会を提供する.今年度は3回の見学会(東京大学,東京科学大学,KDDI総合研究所)を実施した.
④Webinarシリーズの充実とビデオアーカイブ拡充
下記のシリーズを定期的に配信した.更に,それらに加え,会長就任挨拶,会長座談会,研究会,大会の招待講演等を収集,アーカイブ化し,ビデオコンテンツの充実に努めた.
(ア)IEICE ICT Pioneer Webinarシリーズ:本会がカバーするICTに関する技術分野において,10~20年以上にわたり活躍された,専門分野・領域の第一人者に,当該技術の現在,過去,未来を語って頂く本シリーズを継続した.今年度は12回実施し,毎回100名以上の視聴があった.またそれらをアーカイブ化しYouTubeから配信している.
(イ)Distinguished Lecturer(DL)による英語講演:海外会員へのサービス向上,グローバル化の一環として,DLによる英語講演の配信を11回実施し,YouTubeから配信している.
⑤維持員サービスの充実
本会を支えて頂く維持員の皆様に対して,感謝の意を表するため「維持員交流会」を3月に開催した.学会紹介,学会事業紹介,名刺交換会を実施し,本会の事業状況を御理解頂くことに努めた.
⑥アソシエートメンバー制度の推進
学会の利用者を増やすことで,様々な分野との連携活動,会員をハブとする活動の場を広げ,学会の利用者を増やすため,2023年度からアソシエートメンバー制度をスタートさせ,2年目である2024年度は国内569名,海外209名のメンバー登録があった.6~8通/月に学会の最新情報(研究会開催,論文特集号,大会案内)をメールでメンバーに送付した.
⑦IEICEアンバサダーの制度化の推進
会員に対して学会活動を積極的に情報提供を行うことを目的として,IEICEアンバサダー制度を開始し,国内5名,海外1名のアンバサダーを任命した.アンバサダーに学会公式SNSを通じて直接情報発信を行ってもらうことで,会員視点からの情報提供を強化し,学会活動への理解と関心を深め,学会の認知度を向上させた.
⑧会員サービスサポート・運営体制の充実
学会業務のディジタル化の推進,最新ICTツールの活用により,学会業務の効率化を図った.シニア人材,学生アルバイトを活用したIEICEサポートチームにより,情報システムのクラウド化,各種オンラインイベントの支援を進めた.
(2)新たな時代に向けた学会の在り方
①会長声明
電子情報通信分野の大学や大学院の学生の就職状況は極めて良好であるが,就職活動は年々,早期化,過熱化しており,大学,大学院の教育に支障をきたす状況になっている.このような現状に警鐘を鳴らし,大学・大学院での学術研究を一層充実させるために,学生の学会活動を企業の人事を含めたメンバーに見える化し,大学・大学院生の教育機会を尊重した求人スタイルへの移行を目指すことを主旨とする会長声明を公表した.これに関わる具体的取組みとして以下を実施した.
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