記念特集 2-2-8 ビッグデータへの取組みと周辺領域との融合

電子情報通信学会 - IEICE会誌 試し読みサイト
Vol.100 No.10 (2017/10) 目次へ

前の記事へ次の記事へ


fig_1.png

小口正人 正員 お茶の水女子大学理学部情報科学科

中野美由紀 正員:フェロー 産業技術大学院大学産業技術研究科情報アーキテクチャ専攻

石川佳治 正員:シニア会員 名古屋大学情報学研究科知能システム学専攻

木俵 豊 正員 国立研究開発法人情報通信研究機構ユニバーサルコミュニケーション研究所

Masato OGUCHI, Member (Faculty of Science, Ochanomizu University, Tokyo, 112-8610 Japan), Miyuki NAKANO, Fellow (Advanced Institute of Industrial Science, Tokyo, 140-0011 Japan), Yoshiharu ISHIKAWA, Senior Member (Graduate School of Informatics, Nagoya University, Nagoya-shi, 464-8601 Japan), and Yutaka KIDAWARA, Member (Universal Communication Research Institute, National Institute of Information and Communications Technology, Tokyo, 184-0015 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.100 No.10 p.1059 2017年10月

©電子情報通信学会2017

1.ビッグデータへの取組み

 IDCの調査では,地球上で1年間に生成されるデータは,2020年には44ZByteになると予想されており,世界のビッグデータ市場は,年平均11.7%の二桁成長が続いて2020年には2,030億ドル(20兆円)の規模になると言われている(1).データ工学研専などを中心とするコミュニティでは,ビッグデータというキーワードが使われるようになるはるかに以前から,データ量の爆発的な増加に着目してきた(2)

 ディジタル世界全体に対するIoT端末の割合は,2013年には2%であったのに対し,2020年にはこれが10%に達すると見られている.人間が読み書きできるデータ量は限界があるが,もはやデータを生成するのもデータを直接利用するのも,人間ではなくコンピュータ機器であるケースが増えてきており,そうなると人間の限界には縛られない.データ工学研専が主催するDEIM Forum 2017において,発表数が多かったトピックの上位は,情報検索・推薦,情報抽出・要約,データマイニング,テキストマイニングなどであった.これらの研究は,コンピュータがデータを解析して情報を抽出するための試みである.このようなフレームワークで扱えるハードやソフトの限界までデータ量は増加し続けるものと予想され,またその限界を引き上げるための研究が進められるであろう.

2.周辺領域との融合

 データ工学研専の対象とする研究内容は拡大を続けている.現在,情報処理分野全体で最も注目を浴びている研究領域は人工知能であると言える.人工知能の今回のブームは,表面的には深層学習の技術開発が進められ機械学習の正答率が飛躍的に向上した点などが注目されるが,実際のところは大量のデータをコンピュータで扱うことが容易になった点が根本的な要因となっている.その点でデータ工学研専が扱っている研究は,周辺領域との融合が進んでいると考えられる.WebやSNSなどのトピックに関しては,既にデータ工学研専に融合したと言える.

 またデータ処理を行う基盤システムについても現在,ハード・ソフト共に大幅な進化が見られており,これらの研究に関しては,コンピュータシステム基盤の研究領域との融合が進むものと考えられる.従来そちらの研究領域で開催されてきたイベントの流れを組む会議xSIG(http://xsig.hpcc.jp/ )にデータ工学研専が協賛するなど,周辺領域との連携を増やしつつある.

文     献

(1) IDC, “Double-digit growth forecast for the worldwide big data and business analytics market through 2020 led by banking and manufacturing investments, according to IDC,” Press Release, March 2016.

(2) 喜連川 優,“情報爆発のこれまでとこれから,”信学誌,vol.94, no.8, pp.662-666, Aug. 2011.

(平成29年5月20受付 平成29年6月10日最終受付)

()(ぐち) (まさ)()(正員)

 お茶の水女子大教授.博士(工学).平27~29データ工学研専委員長.

(なか)() ()()()(正員:フェロー)

 産業技術大学院大教授.博士(工学).平23~25データ工学研専委員長.

(いし)(かわ) (よし)(はる)(正員:シニア会員)

 名大教授.博士(工学).平21~23データ工学研専委員長.

()(だわら) (ゆたか)(正員)

 情報通信研究機構ユニバーサルコミュニケーション研究所長.博士(工学).平25~27データ工学研専委員長.


続きを読みたい方は、以下のリンクより電子情報通信学会の学会誌の購読もしくは学会に入会登録することで読めるようになります。 また、会員になると豊富な豪華特典が付いてきます。


続きを読む(PDF)   バックナンバーを購入する    入会登録


  

電信情報通信学会 - IEICE会誌はモバイルでお読みいただけます。

電子情報通信学会誌 会誌アプリのお知らせ

電信情報通信学会 - IEICE会誌アプリをダウンロード

  Google Play で手に入れよう

本サイトでは会誌記事の一部を試し読み用として提供しています。