記念特集 2-2-9 情報通信システムセキュリティ研専──設立からこれまで──

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Vol.100 No.10 (2017/10) 目次へ

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三宅 優 正員:シニア会員 (株)KDDI総合研究所スマートセキュリティグループ

Yutaka MIYAKE, Senior Member (Smart Security Laboratory, KDDI Research, Inc., Tokyo, 102-8460 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.100 No.10 p.1060 2017年10月

©電子情報通信学会2017

1.は じ め に

 情報通信システムセキュリティ(ICSS)研専は,2005年度に時限研究専門委員会として設立され,2009年度から一般の研専となり,第一種研究会の実施と様々な活動を行ってきた.本会の研専としては比較的新しいが,本研専の設立の経緯とこれまでの活動について本稿で説明する.

2.ICSS研専設立の経緯

 ICSSが設立された2005年の時点では,基礎・境界ソサイエティの情報セキュリティ(ISEC)研専がセキュリティ分野での代表的な研究会活動であった.また,情報処理学会ではコンピュータセキュリティ(CSEC)研究会においてセキュリティの議論が行われてきた.この当時,インターネットの普及が進み,その上で展開されるサービスも多様化して多くの人々がネットショッピングや金融サービス(銀行,証券,等)を利用するようになった.これに呼応するように,詐欺的な行為や金銭的な被害を与える攻撃も拡大,巧妙化した.このような状況を背景に,セキュリティの要素技術を情報通信システムに適用することによりシステムの安全性を高める手法を検討するための研究会として,本研専の設立が進められた.

3.研専設立後の活動とセキュリティ分野の動向

 ICSS研専では,研究会開催以外にもアジア地域(中国,韓国,台湾)のセキュリティ関連学会と連携して国際学術会議(AsiaJCIS: Joint Conference on Information Security)や本会英文論文誌特集号の企画を続けてきた.また,他のインターネット,及び,セキュリティ関係の研専と共催,連催で研究会,及び,シンポジウム等を開催し,アジア地域での研究者の交流やセキュリティ研究の拡大に貢献してきた.

 2005年に活動を始めてから12年が経過したが,ネットワークが重要な社会インフラとなる中で,情報通信システムのセキュリティ確保は,年々,重要性が増してきている.IoTやConnected Car,クラウド等の新たなサービス形態が導入され,これらに対する攻撃手法も発展している中で,情報漏えい,システムやネットワークの停止,ネットワーク利用者に対する被害の発生が社会的に大きなインパクトを与えている.情報通信システムやサービスの内容が複雑化する中で,そのセキュリティ対策は,システム・サービス機能を熟知し,想定される攻撃手法を把握した上で最適なセキュリティ技術を施す必要があり,対応は容易ではない.ICSSのような情報通信システムを対象としたセキュリティ対策の取組みの場は,日進月歩で進化するネットワークサービスとセキュリティ技術の融合を目指すものとして,重要な役割を果たしてきたと考えられる.

(平成29年5月2日受付)

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()(やけ) (ゆたか) (正員:シニア会員)

 1988慶大・理工・電気卒.1990同大学院修士課程了.2009電通大大学院博士課程了.現在,(株)KDDI総合研究所スマートセキュリティグループリーダー.高速通信プロトコルの実装,インターネットセキュリティの研究に従事.


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