解説 ブロードバンドサービスを支えるPON技術

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Vol.100 No.10 (2017/10) 目次へ

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解説

ブロードバンドサービスを支えるPON技術

PON Technologies for Broadband Access Services

大髙明浩

大髙明浩 正員 日本電信電話株式会社NTTアクセスサービスシステム研究所

Akihiro OTAKA, Member (NTT Access Network Service Systems Laboratories, NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE CORPORATION, Yokosuka-shi, 239-0847 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.100 No.10 pp.1106-1110 2017年10月

©電子情報通信学会2017

abstract

 現在,世界各国のブロードバンドサービスを支えているPON(Passive Optical Network)システムは,今から約30年前に提案されて以来,様々な技術開発を経て,高速の光アクセスを低コストで実現する技術として普及している.PONは1本の光ファイバを複数の加入者で共用することにより,ファイバ芯線と局側装置のポートを削減することが可能な構成であるが,複数の加入者が1本のファイバを適切に共用して通信するというマルチアクセス技術が必要となるため,様々な技術的ハードルを解決する必要があった.ここでは,PONが必要となった背景や歴史を含め,PONを支える技術について解説する.

キーワード:光アクセス,ブロードバンド,PON

1.は じ め に

 今から15年以上前の2001年,日本において一般ユーザ向け低料金の光アクセス回線によるインターネット接続サービス提供が,PON(Passive Optical Network)システムを用いて開始された.当時は,日本を含めて世界全体においてブロードバンドのアクセス回線はメタリック線を用いたADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)が主流であり,また光アクセス方式に関してもP2P(Point to Point),PONの比較が議論されていた時代である.現在ではPONは光アクセス回線の主要技術となり,世界各国でFTTH(Fiber To The Home)やDSL回線を集約するリモート装置の上位側のアクセス回線を実現するシステムとして不動の地位を占めている.当時,世界に先駆けてPONの導入に踏み切ったことは先見の明があったと感嘆するしかない.本稿では,現在のブロードバンドサービスを支えるPON技術について解説する.

2.P O N と は

 PONシステムは,アクセスネットワークと呼ばれる通信事業者の通信局舎と加入者を接続するネットワークに用いられる光伝送のシステムである.PONシステムの概要をP2Pと比較して図1に示す.旧来のアナログ電話や専用線では,P2P,すなわち局舎から加入者まで1本の線(あるいは一対のペア線)を用いて加入者個々に接続する形態であるのに対し,PONは局側の1本のファイバを光スプリッタと呼ばれる素子を用いて複数のファイバに分岐し,複数の加入者と接続する形態である.すなわちPONは,複数の加入者で基幹部分のファイバ及びOLT(Optical Line Terminal,局側光回線終端装置)のポートを共用することで設備量を削減する構成である.


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