記念特集 今後のICT活用と社会の発展 編集にあたって

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Vol.100 No.11 (2017/11) 目次へ

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編集にあたって

編集チームリーダー 伊東 匡

 電子情報通信学会は今年創立100周年を迎えた.これまでの100年を振り返ると,本会は社会変革をもたらしたあまたの技術的成果創出に深く関わってきた.なお,主な成果については電子情報通信学会マイルストーンとして選定したところである.

 100周年を迎えた今日,電子情報通信技術はICTとして日常生活に深く浸透し,欠くことのできない存在になっている.ICTは社会の持続的発展を支えるために,日々進化し続ける必要がある.従来ICTは技術者が道具として創り,利用者はそれを使うといったものであった.新技術の創出(インベンション)はイノベーションにつながっていた.近年ICTは誰もが扱うことができるものへと進化してきた.この結果,イノベーションは必ずしも特定分野の技術者によるインベンションからもたらされるものではなくなってきた.

 AI(Artificial Intelligence)技術の普及に代表されるように,今後更にICTの利用範囲は拡大し,利用者にとっては「与えられる技術」から「活用する技術」に進化する.このような状況を踏まえ,多様な分野での活用をにらんで,ICTを活用者が自らのものに仕立てることで,日本社会が持続的に発展しなければならないと考える.

 本特集では,「今後のICT活用と社会の発展」に向けて,各分野の方々がICTにどう向き合おうとされているかについて,これまで本会とは関わりの少ない様々な分野の方々に御寄稿頂いた.今後会員の皆様が目指す方向性,活動方針,開拓すべき技術分野や進め方を考える際の一助となれば幸いである.

 本特集は2部構成としており,第1部では各分野のオピニオンリーダー3名に今後の100年を見据えて考えるべきことについて述べて頂いた.竹中平蔵氏には「経済学から見た電子情報技術者への期待」と題して,技術者が社会経営を知ることの必要性について示して頂いた.久間和生氏には「科学技術イノベーション戦略と課題」と題して,我が国の産業力強化に対する期待を示して頂いた.本会副会長でもある森川博之氏には「ディジタルが社会・産業・生活・地方を変える」と題して,今後変革する社会に対して,固定概念にとらわれない思考を持つことが重要であることを示して頂いた.各オピニオンリーダーの考えに触れることで,大局的な方向性を理解する一助となれば幸いである.

 第2部では,ICT利用者の立場から,特に人文関連,社会課題解決及びサイエンスの観点から多くの方に執筆頂いた.人文関連では,日本伝統文化とICT,ワークスタイルとICT,感性とICTなど生活や社会環境とICTの関係について理解をすることができる.社会課題解決の観点では,医療や介護の課題解決にICTが果たすことができる役割や食の安全などの課題解決にICTはどのように応えることができるかについて理解を深めることができる.サイエンスの観点では,ICTの学術基盤でもある数学や物理学の分野でICTがいかに活用され基礎研究分野の発展に寄与しているかについて理解することができる.

 日頃接する機会のない分野の方々の御意見は,我々の価値観とは異なる部分もあると思う.それがICTを活用する側から見た事実である.デザイン思考の観点からも,利用者も含めた多様な考えを受け入れ,自らを昇華させるといったダイバーシチこそ今後の技術開発において必要だと考える.

 最後に本特集の趣旨を御理解頂き,幅広い分野で執筆頂いた執筆者の皆様,本特集の実現に御協力頂いた編集チームメンバーの皆様,学会事務局の皆様に深く御礼申し上げる.

 特集編集チーム

 伊東  匡  高田 潤一  今田 美幸  井口  寧  川喜田佑介  斉藤 三長  洲鎌  康  關根 惟敏  豊田 雄志  潘  珍妮  深山  篤  山中 直明  渡辺 正裕 


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