小特集 2. 鏡がつなぐIoTと近未来の暮らし

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テクノロジーが創る快適

小特集 2.

鏡がつなぐIoTと近未来の暮らし

IoT Connected Neo-futuristic Life by Digitalized Mirror

浅井理恵子

浅井理恵子 パナソニック株式会社全社CTO室

Rieko ASAI, Nonmember (Groupwide CTO Office, Panasonic Corporation, Kadoma-shi, 571-8501 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.100 No.7 pp.599-603 2017年7月

©電子情報通信学会2017

abstract

 これまでは,人が起点となって意識的に居住空間の個々の電化製品を操作し,生活の快適性を作り出してきた.電化製品のIoT化に伴い家の様々な生活機器や設備がネットワークに接続されるようになり,スマートホンや携帯端末を介してそれぞれの機器が連携して制御する仕組みも実現されつつある.

 本稿では,これまでの生活動線を変えることなくディジタル化されたインタラクティブな鏡を起点とした家の中の機器が自動的にあるいは簡単な操作だけで効率的に制御される近未来の暮らしの一例を述べる.

キーワード:ディジタル化されたミラー,センシング,メイクシミュレーション

1.ま え が き

 太古の昔から鏡は自分自身を客観的に見る手段として用いられてきた.いわゆる化粧用具の一つとしてだけではなく,鏡に映像が映し出される事象を古来は神秘的なこととして捉え,祭祀の道具としても用いられていた.

 グリム童話「白雪姫鏡」では女王が鏡に向かって問い掛け,少女漫画「ひみつのアッコちゃん」は鏡を使って望みの姿に変身する.このように空想の世界においても鏡は神秘的な意味を持つものとして幾度となく取り上げられている.

 現代でも人は朝起きてから寝るまでの間に何度も鏡で自身の姿を確認する.日本人の場合,1日に平均男性で5~6回,女性は7~8回も鏡を見ると言われている.

 鏡は家の中のどの部屋にもほぼ一つは存在し,日常の生活動線の中で無意識のうちに見る習慣がある.

 筆者らは新たな機器や行動を加えることなく,生活の中にある鏡を情報の起点として着目し,宅内外のあらゆる情報のポータルとして,また鏡を見るという行為を宅内の機器の操作インタフェースと置き換えられないかと考えた.

 鏡をモニタとして用いれば,家の中にあるインテリアとの調和を保ちながらあらゆる生活情報表示に使うことができる.鏡に顔を検知するセンサを埋め込めば鏡をのぞき込んだタイミングでそのセンサから人の健康情報をセンシングすることができ,宅内の鏡をネットワークでつなげば家族の情報の蓄積と共有ができる.宅外のネットワークとつなげればECサイトでオンラインショッピングを行うこともできる.パナソニックでは,これまで人が能動的にリモコン等のインタフェースを使って電源のオンオフといった行動に代わり,鏡をのぞき込むだけで,日々の生活を健康・快適にする現代版「魔法の鏡」を,同社が保有する様々なディジタル,アナログ技術を融合した「スノービューティミラー」と命名し開発を始めた(図1).

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