小特集 3. 心地良い音を実現するためのオーディオ機器と信号処理技術

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テクノロジーが創る快適

小特集 3.

心地良い音を実現するためのオーディオ機器と信号処理技術

Audio Devices and Audio Signal Processing Technology for Comfortable Sound Reproduction

沖本 越

沖本 越 ソニー株式会社R & Dプラットフォーム

Koyuru OKIMOTO, Nonmember (R & D Platform, Sony Corporation, Tokyo, 141-8610 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.100 No.7 pp.604-608 2017年7月

©電子情報通信学会2017

abstract

 家に帰ってリラックスする際に用いる機器の一つとして,オーディオがある.本稿では,音と心地良さとの関連性をひも解くとともに,その心地良さを演出するオーディオ機器や技術,またテレビなどの画像とともにあたかもコンサートホールやサッカースタジアムにいるような臨場感を実現するためのオーディオ機器や技術について紹介する.

キーワード:心地良さ,臨場感,音場補正,音場再現

1.は じ め に

 生活空間.それは自分が帰る家であり,時には集中する場所でもある.そんな生活空間でのリラックスやリフレッシュのための手段として人間の五感に作用する様々なものが考えられる.

 本稿では家庭におけるオーディオ機器を,リラックス・リフレッシュする際に用いる機器の一つとして捉え,音と心地良さとの関連性をひも解くとともに,その心地良さを演出するオーディオ機器や技術,またテレビなどの画像とともに,コンサートホールやサッカースタジアムなどの現場ならではの心地良さや臨場感を家庭で実現するためのオーディオ機器や技術について紹介する.

2.音と心地良さ

 人間が感じる心地良さと音の関連性について考えてみると,まず一つにどのような音を聴いているのか,が関係することは容易に想像がつく.例えば多種多様なジャンルが存在する音楽や映画などの制作物,また鳥のさえずりから工事現場の騒音まで,自然界に存在する様々な音など,私たちの周りには心地良さを与えるものと不快さを与えるもの,数え切れない種類の音が存在する.

 人間が感じる心地良さと音の関連性についてその他に考えられるものとしては,どのような場所で,どのような手段で(機器を通しているのかまたは通さず直接聴いているのか),どのような音(音量・音質)で聴いているのか,といった点も挙げられることも容易に想像がつく.

 本稿においては最初に述べたようなどのような音を聴いているかという点は省略し,後者のどのような場所・手段・音(音量・音質)で音を聴いているか,といった観点に絞り話を進めていく.具体的には家庭のリビングやキッチン,寝室,またリスニングルームにおいて,主にスピーカで構成される様々な音響機器を使用して心地良い音を聴く場面を想定し,そこでどのような音響機器や技術があるのかについて解説する.

 家庭におけるオーディオ機器再生を通じて人間が心地良さを感じる要因として,オーディオ特性があるのは間違いない.単にオーディオ特性と言ってもオーディオ機器そのものが持つ特性や,またオーディオ機器から人間の耳に,どのような音が届くのか,という意味での空間における伝達特性も考えられる.機器そのものの特性が優れていることが心地良さに関連があるのは明らかであるため,本稿では機器自体の特性には触れずに後者の伝達特性に着目し,まず次章においてその伝達特性を整えることで心地良さを実現する音場補正技術について紹介する.


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