特集 2-1 5Gで変わるスマホ通信

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Vol.101 No.11 (2018/11) 目次へ

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2. 5Gで開く新たなアプリケーション

特集2-1

5Gで変わるスマホ通信

Services in 5G Era: Beyond the Smartphone

岸山祥久

岸山祥久 正員:シニア会員 (株)NTTドコモ5Gイノベーション推進室

Yoshihisa KISHIYAMA, Senior Member (5G Laboratories, NTT DOCOMO, Inc., Yokosuka-shi, 239-8536 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.101 No.11 pp.1074-1077 2018年11月

©電子情報通信学会2018

abstract

 現在,世界中で5G商用化に向けた活動が本格化するとともに,様々な業界から5Gに大きな期待が寄せられており,5Gならではの高性能を生かした新サービスが盛んに検討されている.本稿では,5Gの時代に向けて注目が高まっている少し先の未来を想定した移動通信サービスについて,NTTドコモでこれらを実現すべく取り組んでいる実証実験やサービス創出などの取組み事例を紹介する.

キーワード:5G,サービス,実証実験,遠隔操作

1.は じ め に

 現在,世界中で5G商用化に向けた活動が本格化するとともに,様々な業界から5Gに大きな期待が寄せられており,5Gならではの高性能を生かした新サービスが盛んに検討されている.5Gを代表するサービスが何かということで,「スマホの次は何か?」という問いもよく聞かれる.しかしながら,サービスと移動通信の世代には明確な区切りがあるわけではなく,今では4Gを代表するサービスとなったスマートフォン(略称「スマホ」)が利用され始めたのは3Gの時代からである.したがって5Gの時代である2020年代のサービスには,5Gならではの高性能を生かした新サービスだけではなく,現存するサービスがより快適により様々な環境で楽しめるようになることで,5Gを代表するサービスへと変化していくものもあるだろう.

 図1に,5Gに向けた移動通信サービスの発展イメージを示す(1).5Gの高速/大容量かつ低遅延な通信方式によって,移動通信で提供されるサービスやアプリケーションはより豊富かつ高度になっていくと想定される.例えば,高精細動画像ストリーミング(4K/8K動画像),眼鏡型のユーザインタフェースによる仮想現実(VR: Virtual Reality)や拡張現実(AR: Augmented Reality)のような新体感サービス,触覚や体の動きなど音や映像以外のメディア通信などが例として挙げられる.また,5Gが教育やヘルスケア,及び遠隔制御など安全性・信頼性が要求されるサービスに利用されることも考えられている.更に,5Gで実現される多数端末接続によって,あらゆる‘もの’が無線でつながるIoT(Internet of Things)分野のサービスも拡張されていくと想定される.例えば車,住宅,家電,眼鏡,腕時計,アクセサリ,ロボット,センサなど様々な‘もの’が無線でネットワークに接続し,ユーザや企業に様々なメリットを提供するようなサービスが実現されていくだろう.


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