特集 3-7 5Gの先を見据えた超高速無線向けミリ波デバイス技術

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Vol.101 No.11 (2018/11) 目次へ

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3. 5G を支えるテクノロジー

特集3-7

5Gの先を見据えた超高速無線向けミリ波デバイス技術

Millimeter-wave Device Technologies for the Ultra-high Speed Wireless Communications Considering

Beyond 5G

濱田裕史 野坂秀之

濱田裕史 正員 日本電信電話株式会社NTT先端集積デバイス研究所

野坂秀之 正員:シニア会員 日本電信電話株式会社NTT先端集積デバイス研究所

Hiroshi HAMADA, Member and Hideyuki NOSAKA, Senior Member (NTT Device Technology Laboratories, NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE CORPORATION, Atsugi-shi, 243-0198 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.101 No.11 pp.1140-1146 2018年11月

©電子情報通信学会2018

abstract

 5Gの次の世代の無線システムとして,伝送レート100Gbit/sのBeyond 5Gが検討されている.本稿では,100Gbit/s伝送可能なトランシーバとして,300GHz帯における基本波ミクサアーキテクチャのInPトランシーバとその要素技術であるミクサについて述べる.300GHz帯における課題であるトランシーバの高SN比実現とパッケージングによるミクサ特性劣化の問題を解決するために提案した高アイソレーション技術について説明し,本ミクサを用いて構成したトランシーバによるデータ伝送特性について述べる.本トランシーバにより,100Gbit/s信号の2.22m無線伝送が達成された.

キーワード:ミリ波,300GHz,トランシーバ,ミクサ,InP-HEMT

1.は じ め に

1.1 Beyond 5G

 近年,スマートフォン等の高速モバイルデバイスの普及やInternet of Things(IoT)の進展に伴い,モバイルトラヒック量の増大が著しい.このような状況を鑑み,最大10Gbit/sの伝送レートを有する5G(1)の検討が現在進められている.5Gでは,その高速な無線伝送レートを実現するために,従来よりもデータ伝送帯域を広くとれる28GHz帯や70GHz帯といった準ミリ波,ミリ波帯の使用が検討されている.将来的には,更に高速な無線システム実現が望まれており,現在検討されている5Gの次世代無線システムであるBeyond 5Gでは,データレート100Gbit/sが想定されている.このような超高速無線システムは,タッチダウンローダ(2)や高速モバイルバックホール・フロントホール,離島等の光ファイバ敷設困難な場所への高速ネットワーク提供など様々な応用が期待される.

1.2 300GHz帯無線システム

 次に,Beyond 5G実現に向けた,300GHz帯(275~320GHz)の有用性を説明する.100Gbit/s実現のためには,5G同様に,伝送帯域を拡大することが重要である.現在,275GHz以上の周波数帯は無線通信用途への周波数割当が完了しておらず,今後,広い帯域を確保できる可能性がある(3).その中でも300GHz帯は大気の自由伝搬損が10dB/km程度と少なく(4),また,帯域幅も45GHzと広大であり,100Gbit/s以上の高速無線通信に有用であると考えられる.


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