小特集 2. 高臨場感映像技術を活用したコミュニケーションの最新動向

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高臨場感映像・音響が創り出す新たなユーザ体験の評価技術

小特集 2.

高臨場感映像技術を活用したコミュニケーションの最新動向

High-realistic Communications Technologies

髙田英明

髙田英明 日本電信電話株式会社NTTサービスエボリューション研究所

Hideaki TAKADA, Nonmember (NTT Service Evolution Laboratories, NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE CORPORATION, Musashino-shi, 180-8585 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.101 No.8 pp.780-785 2018年8月

©電子情報通信学会2018

abstract

 高臨場映像・音響表現技術を駆使した高臨場感コミュニケーションを実現する技術動向について,遠隔コミュニケーションから将来的な応用検討まで幅広く俯瞰的に紹介するとともに,人間が感じる臨場感の定量的な評価に向けた課題や最新の取組み事例等について紹介する.多くのコミュニケーションシステムでは,全ての機能において正しく伝えることに重きが置かれているが,ここでは特に,意図的に情報を絞り誇張するなど,状態を加工したりゆがめたりすることで,目的に応じた情報伝達を的確に実現しようとする試みを中心に紹介していく.

キーワード:高臨場映像,遠隔コミュニケーション,演出,空間再現,臨場感評価

1.は じ め に

 コミュニケーションサービスの基本的な役割は,回線・ネットワークなどを介して複数のユーザの姿や声の情報を交換するコミュニケーションの実現である.コミュニケーションシステムの基本的機能は,一地点の映像や音響信号をセンシングして遠隔地へ伝送し,遠隔地において同様の映像や信号として再現し知覚させる.

 多くのコミュニケーションシステムでは,全ての機能において「正しく」伝えることに重きが置かれている.例えば,映像は4K/8Kなど高解像度カメラによりセンシングし,高解像度ディスプレイに提示することで,一地点の情報を漏らすことなく「正しく」伝える試みがなされている.また音響ではモノラルからステレオ,更には多チャネルオーディオへと,収音及び提示デバイスを進化させることでより正しい情報を伝えている.

 これらのありのままを伝えるというコミュニケーションの一方で,適切な情報に絞るあるいは誇張するなど,状態を加工したりゆがめたりすることで,目的に応じた情報伝達を実現しようとする試みも増えている.

 本稿では,一方向のコミュニケーションから双方向のコミュニケーションまでのこれらの最近の技術動向(1)やサービス化に向けた取組みについて,評価手法から応用まで交えながら幅広く紹介する.

2.対面コミュニケーションにおける臨場感

 コミュニケーションサービスの果たす最も基本的かつ重要な役割は,遠隔地にいるユーザ同士の対面コミュニケーションである.遠隔コミュニケーションシステムは,ネットワーク技術,メディア技術,伝送技術,更にはカメラやマイク等の収録機材や高精細なディスプレイ機器の普及によって,情報が日々豊かになっており,身振りや手振りにとどまらず,僅かな表情の違いや息遣いまでもが伝えられる.また,会議室そのものと一体になった会議システムの製品も登場しており,双方の参加者がより高い一体感を感じることのできるシステムが現実のものとなりつつある.

2.1 動きや方向など活動の把握(Awareness)


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