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データセンターネットワークの最新動向
小特集 4.
データセンターにおける光スイッチネットワーク技術の動向
Recent Development of Optical Switching Technologies in Datacenters
Abstract
データセンターへの光スイッチングシステム導入は,成長を続けるデータセンターにおける高速・大容量データに対して,その広帯域性・低遅延性・低消費電力のアプローチとして研究開発が進められている.光スイッチングシステムにも経路制御や切換速度によって異なる形態があり,その特性に応じて適した光スイッチ素子の選択が求められる.本稿では,研究開発されている光スイッチングシステムの構成・各種光スイッチ素子について解説する.また最近の研究開発の動向について紹介する.
キーワード:光スイッチングシステム,データセンター,光スイッチ素子,広帯域
インターネットの成長に伴う大量のデータを処理し,ユーザの要求に応えるためのデータセンターの重要性が高まっている.サーバで処理されたデータを他のサーバに転送するが,データセンター内での処理能力を高めるために現在の主流は数十万台のサーバ間を階層構成の電気スイッチを通して通信されている.その階層構成の多段中継に伴う処理遅延・消費電力の課題解決が求められている(1).現在のデータセンターに関する状況・課題等については,本小特集1「データセンターネットワークの最新動向」を参照頂きたい.
光スイッチングシステムは,経路間の制御に様々な方式があり,それに応じて性能差はあるものの,データの入出力の経路内にある光スイッチ素子を透過して目的の出力に転送されるため,基本はデータのビットレートやプロトコルへの依存が低い動作が期待できる.そのため,世界的にプロジェクトが並立し,研究開発が取り組まれてきた.
データセンターのサーバからの出力を時間多重化しながら目的のサーバに転送する現状のLeaf and Spine型構成で使われる電気スイッチングシステムに対して,光スイッチングシステムの導入の狙いは,(1)大容量性を生かして階層構成を回避し,フラットなネットワークを形成することで低遅延化,(2)光/電気・電気/光(OE/EO)変換の削減による低消費電力化である.
そこで本稿では,データセンター内に導入することを考えた上での光スイッチングシステムの構成に応じた特性,及びシステム内で動作する光スイッチ素子の種類に応じた特徴について解説する.また幾つかの最近のプロジェクトの取組みを紹介する.
光スイッチングシステムには前述のように大容量・OE/EO変換なく入出力間転送を行うことによる光送受信機(トランシーバ)数の削減と消費電力低減,入出力間の低遅延化に加えて,ビットレート無依存・プロトコル無依存という特徴も有する.一方で,データの送受信の方式に応じて利用可能な光スイッチ素子への性能要求も変わるため,適切な選択が求められる.以下,主な方式について説明する(表1).
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