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Vol.108 No.10 (2025/10) 目次へ

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 * 秋の夜長,星空が映える季節になりました.初めて空に望遠鏡を向けたのは,およそ400年前,ガリレオ・ガリレイであったと言われています.科学の父とも呼ばれる彼は,木星の衛星や太陽の黒点を発見し,観測し,考察し,論文に記したことで,我々の当時の世界観に大変革を迫るきっかけを作りました.

 * 見えないものを見たいというのは,人類の根源的な欲求の一つでしょう.望遠鏡や顕微鏡のように,目に見える光を用いて,その倍率を変えることでさえも,我々が世界を捉える観察眼は劇的な変貌を遂げました.しかしそれにはとどまりません.ヴィルヘルム・レントゲンは初めて物を透視する手段を与え,その後,核磁気共鳴により体内に潜む病変を画像に描き出す方法も開発されました.宇宙の果てや原子の姿,分子の振舞いまでもが可視化されつつあるのが現代です.

 * 本号の小特集では「ミリ波・テラヘルツ技術は未来のセンシングを変えるか?」と題して,電波センシング・イメージングの最新動向を取り上げました.これまでの可視化の歴史においても,電子情報通信技術は重要な役割を果たしてきました.センシング,つまり物理的な事実を情報の世界に写し取り,重要な情報を抜き出し,我々の認識や判断を支えていくことは,電子情報通信技術の正に真骨頂とも言えるでしょう.

 * 歴史をひも解けば,「見えるようになった」と思った瞬間に,更にその先に「まだ見えないもの」が立ち現れ,それが次なる挑戦への原動力となってきました.未来のセンシングは,私たちの世界観,社会の在り方をどのように変えていってくれるでしょうか.

(編集理事 柏野邦夫) 

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