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未来を創る情報通信エンジニアリング
1.
災害時に見る通信インフラ復旧への取組み
Efforts to Restore Communications Infrastructure during Disasters
近年,自然災害の激甚化・頻発化に伴い通信業界全体で災害対策の強化が急務とされている.本稿ではNTT,楽天モバイル,KDDI,ソフトバンクの4社で災害対応の歴史・強化・進化・未来の順に考察する.歴史からの学びと対策,そして復旧に向けた設備・対応力・関係機関連携の強化について紹介する.また,陸・海・空・宇宙の4方向からの災害対策の進化について述べるとともに,AIを活用した未来への災害対策のビジョンも紹介する.最後に大規模災害に備え発足した「情報通信エンジニアリング活動」についての紹介と連携強化に向けた方向性について考察する.
キーワード:災害対策,早期復旧,災害ソリューション,事業者間連携
社会において通信サービスは生活に密着した必要不可欠なものであるとともに,有事の際においても人命救助や復旧活動を支える非常に重要な役割を果たすものである.頻発する様々な災害に対応するために,過去から脈々と積み重ねてきた通信設備の強じん化や災害対応力の強化に向けた取組みを紹介するとともに,こういった取組みをこれからも日々継続し,更なる災害対応力の強化を行っていくことが我々通信事業者としての責務である.
通信事業者が関連する法令や求められる役割について紹介させて頂く.
現代社会において通信サービスは重要な社会インフラであり,社会機能の維持に必要不可欠なものとなっている.災害時において通信事業者は,災害対策基本法や電気通信事業法といった様々な関係法令に基づいて,指定公共機関としての責務,電気通信事業者としての責務を果たすとともに,その他の法に基づく協力を行い,多くの関係機関と連携しながら通信サービスを支え,社会機能の維持に努めている(図1).
これまでも,そしてこれからも,常に利用者に安定した通信サービスをお届けするため,大きく三つの方針「通信ネットワークの信頼性向上」「重要通信の確保」「通信サービスの早期復旧」に基づき対応を強化している(図2).これら三つの方針について説明する.
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