特集 2. 情報通信エンジニアリング分野における効率化,DX化の取組み

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未来を創る情報通信エンジニアリング

特集

     2.

情報通信エンジニアリング分野における効率化,DX化の取組み

Efforts to Improve Efficiency and DX in the Information and Communications Engineering Field

川西圭景

区切り

川西圭景 日本電信電話株式会社技術企画部門

Yoshiaki KAWANISHI, Nonmember (Technology Planning Department, NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE CORPORATION, Tokyo, 100-8116 Japan).

©電子情報通信学会誌 Vol.108 No.5 pp.390-393 2025年5月


 本記事の著作権は著者に帰属します.

abstract

 生活を支える様々な分野で通信の利用が多様化する中,情報通信インフラは社会・経済活動等あらゆる活動を支える基盤であり不可欠な存在となっている.一方で,生産年齢人口の減少により,情報通信インフラを支える情報通信エンジニアリング分野(設計,工事,運用,維持管理)における担い手不足も今後見込まれている.このような状況の中,次世代ネットワークの構築やネットワークの安定稼動を実現し,通信業界の更なる発展やサステナブルな業務運営実現のため,通信キャリヤにおいて取り組んでいるDX化やAI活用等の取組みを紹介する.

キーワード:情報通信エンジニアリング,効率化,DX化

1.サステナブルな業務運営の実現とDX

 通信インフラは単なる情報交換手段ではなく,人々の日常生活や社会全体の機能を支える基盤となっている.高速なネットワークやIoT技術は私たちの生活様式を変革し,ディジタル決済,行政サービス,教育,災害対策など多岐にわたる分野でその重要性が増している.例えば,COVID-19の感染拡大下では,リモートワークやオンライン学習が拡大し,教育分野でもICTの活用は不可欠となった.また,先般の能登半島地震においても被災地・被災者への支援における通信の重要性(緊急通報,安否確認等に係る通信,警察・防災通信等の基本的な重要通信,被災した方へのマイナンバーカードと連携した罹災証明書のオンラインでの発行等)が再認識された.

 このように生活を支える様々な分野で通信の利用の多様化により通信量が増加し,その技術が複雑化,高度化する一方で,生産年齢人口の大きな減少が見込まれている.情報通信インフラを支える情報通信エンジニアリング分野(設計,工事,運用,維持管理)でも担い手の不足が中期的に想定されており,次世代ネットワークの構築やネットワークの安定稼動等,将来にわたる安定的な事業運営(サステナブルな業務運営)の実現が喫緊の課題となっている.サステナブルな業務運営の実現に向けては,魅力ある情報通信エンジニアリング分野の発信や人材確保の取組み(別稿「エンジニアリング分野における少子高齢化時代の人材確保の取組み」参照のこと)(1)に加え,ディジタル技術を活用して業務やビジネスモデルを根本的に変革するディジタルトランスフォーメーション(以下,DX)による我々通信キャリヤ自身の生産性の向上も必要となっている.

 本稿では,生産性向上に加え,業務品質向上を目的としたNTTグループのDXの取組みの紹介,及び今後情報通信エンジニアリング準備委員会において通信キャリヤ間で議論予定の事項について紹介する.


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