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電子情報通信学会創立100周年宣言
――輝かせたいコミュニケーションの夢・未来 IEICE100周年――
これまでの100年,電子情報通信技術分野における科学・技術の振興と発展は指数関数的な大容量・高速化及び高密度・小形化を実現し,産業の興隆を通じて社会に大きな貢献をした.本会はこれらの発展に基幹学会として重要な役割を果たしてきた.電子情報通信技術はまた,情報とメディアの交換や共有を圧倒的に効率化し,文化の伝承や創造に大きく貢献した.本会はこれらについても,その基盤技術の発展を支えてきた.
2016年1月の「第5期科学技術基本計画」では,ICTの進化などにより大変革時代が到来しているとの現状認識が示されており,本会が果たすべき役割はこれまで以上に拡大している.多様な価値観を持つ‘ひと’と‘ひと’,更には‘ひと’と‘もの’,‘もの’と‘もの’をつなぎ,地球環境と安全を守り,豊かな文化と新たな価値を生み出すことが可能な社会システムの実現に向けた貢献が期待されている.次の100年の入り口にあたり,「学術の発展,産業の興隆並びに人材の育成を促進することにより,健全なコミュニケーション社会の形成と豊かな地球環境の維持向上に貢献する」という理念に変化はない.本会がコミュニケーションの夢とそれによって実現される豊かな未来社会に向けて果敢に挑戦し,革新的技術及びイノベーションを継続的に創出する学会として大きく飛躍することを目指し,以下の宣言を行う.
1.広汎な知が交流する場を作り,新たな学術領域をひらく
人文科学,社会科学など幅広い分野の知とも協働し,新たな学術領域や革新的イノベーション共創の場を構築するとともに,研究者を鍛える生きた教室の役割を果たし,更なる学術の振興と産業の発展に貢献する.
2.社会課題の解決に貢献し,新たな社会のビジョンを作成する
研究者,技術者にとどまらない会員の多様化を促し,社会の課題を共有して短期的な社会課題の解決に寄与するとともに,長期的な社会のあり方を変革し得る科学・技術の役割を認識して,健全なる社会のビジョンを作成する.
3.技術倫理の向上に努め,社会に向けて発信する
あらゆる科学及び技術の研究開発と展開は社会と人類の幸福を希求すべきものである.会員の技術倫理を高め,本会の活動から誕生した研究成果と併せて技術倫理の意義を発信し,社会と人類の幸福に貢献する.
電子情報通信学会略年表
1917年5月 逓信省電気試験所第2部研究会,電信電話研究会を経て「電信電話学会」を創立
1927年1月 社団法人の認可を受ける
1937年1月 名称を「電気通信学会」と改める
1967年5月 名称を「電子通信学会」と改める
1985年5月 グループ制を導入
1987年1月 名称を「電子情報通信学会」と改める
1995年4月 ソサイエティ制を導入
2012年4月 一般社団法人に移行
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