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解説
ネットワーク仮想化サービス基盤の進展と今後の展望[Ⅱ・完]
――サービス合成可能なネットワークプラットホーム技術――
The Development and Future Prospects of Network Virtualization Service Infrastructure [Ⅱ・Finish]: Network Platform Enabling Flexible Services Composition
目 次
[Ⅰ] 進化形ネットワーク仮想化と統合管理技術(12月号)
[Ⅱ・完] サービス合成可能なネットワークプラットホーム技術(1月号)
abstract
クラウド技術を活用した柔軟性の高いサービスシステムの実現か可能になったことに触発されて,仮想ネットワークを実現する研究開発,並びに仮想ネットワークを用いて柔軟性の高い通信サービスを実現する研究開発が活発に行われている.本稿では,この柔軟性の高いネットワークサービスの構築を可能にするサービス合成プラットホームの研究開発について紹介する.
キーワード:ネットワーク仮想化技術,トイブロックネットワーキング,通信システム,システム開発工程
インターネットは社会活動や経済活動を支えるインフラストラクチャに成長したが,新しい機能の導入が難しくなっており,アーキテクチャを根本から設計し直すことが期待されている.我が国においては新世代ネットワーク(1),米国ではNSF(National Science Fundation)のFIND(Future INternet Design)(2)イニシアティブにおいて,アーキテクチャの見直しが進められ,これまでにもCCN(Content Centric Networking)(3)やID/ロケータ分離(4)等の多数の斬新なアーキテクチャが提案されている.これらのアーキテクチャの評価には,大規模な実証実験が必須であり,JGN-X(Japan Gigabit Network)(5)やGENI(Global Environment for Network Innovations)(6)等の多数のテストベッドが日米欧で構築されている.
このようなテストベッドでは,多数のアーキテクチャの実験が同時に実行されることが想定されるため,回線並びにルータのCPU等が各実験に独立して割り当てられて,実験同士が互いに干渉しないように保証することが必須である.ネットワーク仮想化技術は独立なネットワーク資源の割当てが可能になるため,多数のテストベッドで採用されている.具体的には仮想的なルータと回線から構成される仮想的ネットワークが実験ごとに割り当てられ,実験者は仮想的なルータ上に独自にプログラミングできるため,様々なアーキテクチャを仮想ネットワーク上に実装することが可能になる.
商用の通信サービスの提供においても,ネットワーク仮想化技術の導入が進められている.国内ではNTTドコモ並びにソフトバンクが,第4世代移動通信システムのモバイルコア(EPC: Evolved Packet Core),若しくはその一部をネットワーク仮想化技術によって構成してモバイル通信サービスを提供している(7),(8).商用の通信サービスでは,まだ一つの通信サービス若しくはその一部の機能をネットワーク仮想化環境で実装するものにとどまっているが,今後複数の通信サービスを共通のネットワーク仮想化環境に構築することが予想される.
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