記念特集 2-2-5 SWIM の成り立ちと現在までの活動

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Vol.100 No.10 (2017/10) 目次へ

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片岡信弘 正員:フェロー 東京電機大学

Nobuhiro KATAOKA, Fellow (Tokyo Denki University, Tokyo, 120-8551 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.100 No.10 p.1052 2017年10月

©電子情報通信学会2017

1.成り立ちと目指すもの

 ソフトウェアインタプライズモデリング(SWIM: Software Interprise Modeling)研専は,2001年から「ITと経営の相乗的改革モデルの研究」を基本テーマとして活動を行っている.インターネットを最大限に活用し事業活動を営む企業や組織をInternet based enterprise(Interprise)と呼び,本研専ではInterpriseの価値革新をITで行うことを目標としている.

2.現在までの活動

 現在の主要な研究テーマの一つ目は,ビジネスモデル(BM)を基点とした経営情報システム(EIS)の実現である.

 BMを基点とすることにより,経営課題に密着した,EISの実現を目指す.これを図1に示す(1).BMからEISのシームレスな実現のためBM,BA(ビジネスアーキテクチャ)の各モデルの記述方式やモデル間の変換方式などの検討に取り組んでいる.BAの記述方式については,オープングループ提唱のArchiMateをベースとした方式を提案している(2).また,モデル自身やモデル間の検証については,モデル検査ツールSPIN(Simple Promela INterpreter)やカラーペトリネットを利用した研究(3)を進めてきた.

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 二つ目は,SaaS(Software as a Service)やオープン環境などEIS実動の基盤の変化に伴うビジネスモデル変化の研究である(4)

 三つ目は,革新的EISの実動方式の研究である.APIによるサービス連携の重要性については早い時期から提唱をしてきた(5).近年定着してきたクラウドコンピューティングについては,2010年時点でSWIMのプロジェクトを立ち上げその可能性を検証してきた(6)

 今後の課題としては,ビッグデータやCGM(Consumer Generated Media)等による新しい価値に対するモデルへの取組みが存在する.

文     献

(1) 松本正雄,“インタプライズの特質に基づくモデル化BD3―汎用視点から―,”信学技報,SWIM 2014-25, pp.65-70, Nov. 2014.

(2) 片岡信弘,堀米 明,久保田雅彦,五月女健治,小松昭英,増井久之,須栗裕樹,松本正雄,木村礼壮,荒川弘煕,“プラットフォームビジネスのアーキテクチャの考察―ビジネスモデル3.0タスクフォース報告02―,”信学技報,SWIM 2016-16, pp.33-38, Dec. 2016.

(3) 小原正義,新川芳行,“CPNによるUMLクラス図とステートマシン図間の整合性検証,”信学技報,SWIM 2013-7, pp.9-13, Aug. 2013.

(4) 高橋 浩,“オープン環境の浸透による企業市場ビジネスモデルの変革―多接点プラットフォーム・モデルによる―,”信学技報,SWIM 2005-10, pp.13-18, Aug. 2005.

(5) 片岡信弘,“ソフトウェア技術革新―マッシュアップ,”Webサービス時代の経営情報技術,松本正雄(編),pp74-98,電子情報通信学会,東京,2009.

(6) 宮西洋太郎,“クラウドコンピューティングとどう向き合うか―クラウドはビジネス系情報システム構築技法の革命となりうるか―,”信学技報,SWIM 2010-1, pp.1-6, June 2010.

(平成29年4月24日受付 平成29年6月6日最終受付)

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(かた)(おか) (のぶ)(ひろ) (正員:フェロー)

 昭41阪大・工・電子卒.昭43同大学院修士課程了.同年三菱電機株式会社入社.平12東海大情報メディア学科.ビジネスプロセスモデリング,システム構築方式の研究に従事.現在,東京電機大・非常勤講師.博士(情報科学).著書「インターネットビジネス概論」など.


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